時計 時間のある日:タグ・ホイヤー カレラの60周年を祝う、6つの重要なマイルストーン

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時を遡る旅を通して、タグ・ホイヤー有数の伝説的なタイムピースの数々をご紹介します。

TAG Heuer Carrera 60th Anniversary Limited Edition (CBK221H.FC8317)

「タグ・ホイヤー カレラ」のストーリーは、タグ・ホイヤー自身のレガシーと切っても切れない関係にあります。ウォッチ界で最も知名度の高いモデル名のひとつである「タグ・ホイヤー カレラ」は、何度も画期的な進歩を達成し、タグ・ホイヤーというラグジュアリー ウォッチメーカーの革新的な現在と伝説的な過去とのユニークな関係を体現してきました。

今や、カレラという名前を生んだインスピレーション自体が伝説となっています。1962年、ジャック・ホイヤーは、フロリダでのセブリング12時間レースに参加し、そこで1950年代にメキシコで開催されていた危険極まりない悪名高きレース「カレラ・パナメリカーナ」の話を耳にします。エレガントでダイナミックなその名が、ジャック・ホイヤーの想像力を掻き立てました。そこで故郷のスイスに戻るとすぐにジャックは、「ホイヤー カレラ」という名前を商標登録したのです。

 

それから数十年、「タグ・ホイヤー カレラ」は、機能、ムーブメント、素材、デザインのバリエーションが豊富な一大コレクションへと進化を遂げました。このアイコニックなクロノグラフの60回目の誕生日を祝うため、このモデルが紡いできたモーターレーシングや復刻にまつわる物語におけるいくつかの重要なマイルストーンを再確認していくことにしましょう。

Heuer Carrera, Reference 2447S, circa 1963, © TAG Heuer

1963年 – スター誕生

カレラの第一世代、Ref. 2447は、1963年のバーゼルフェアで発表されました。ジャック・ホイヤー自身がデザインしたこのモデルは、プロのドライバーやレース愛好家のために特別にデザインされた、全く新しいスタイルのクロノグラフとして登場しました。

 

オリジナルデザインは、モーターレーシングへの情熱だけでなく、ジャック・ホイヤーがこよなく愛するモダンアートや建築の影響も受けています。イームズやル・コルビュジエといったミッドセンチュリーの巨匠たちからインスピレーションを受け、ジャックは、明瞭さとスマートさでモーターレーシングのニーズに応える「クリアでクリーンなデザイン」と「絶対的な視認性」を備えたウォッチをイメージしました。その結果誕生したのが、新世代の価値観と憧れを形にし、モダンな美学と画期的な機能性に比類ないエレガンスを組み合わせたタイムピースでした。

Heuer Skipper 7754, circa 1968, © TAG Heuer

1968年 – 新たな地平を目指しての船出

1967年、ホイヤーは、その年のアメリカズカップで優勝したヨット「イントレピッド号」にストップウォッチやクロノグラフなどの計時機器を提供しました。翌年、ホイヤーはこのコラボレーションの成功を記念して、全く新しいカレラ スキッパーを制作します。

 

初代スキッパーは、カレラ 30 クロノグラフをベースに、ヨットレースに適した改造を施したものでした。鮮やかなブルー、オレンジ、グリーンのクロノグラフのカラーは、優勝したイントレピッド号と同じカラーで、ホイヤーの人目を引くデザインと国際的なスポーツの卓越性との高まる絆をより強固なものとしています。コレクターの間では「スキッパレラ」の愛称で呼ばれるこのスキッパーは以来、最もレアで、最も価値の高いタグ・ホイヤーのヴィンテージ クロノグラフのひとつとなりました。

Heuer Carrera Chronomatic, Reference 1153N, © TAG Heuer

1969年 – 自動巻ウォッチを人々の手に

1969年、ホイヤー率いるジョイントベンチャーが、世界初のクロノグラフ ムーブメントを全世界に向けて発表します。1969年3月、ジュネーブとニューヨークの同時記者会見で、この革命的なムーブメント「キャリバー11」を搭載した自動巻カレラが発表されたのです。

 

このムーブメントの登場は、より大きく、よりカラフルなタイムピースがトレンドとなった時期と重なります。1970年代は、バレル型のウォッチや大胆なデザイン、派手なダイヤルなどが登場した時代でした。キャリバー11の技術革新だけでなく、ホイヤーは1960年代の白黒のクラシックなデザインから、新しい10年の鮮やかなカラーと大胆なフォルムへの移行を開始し、業界のトレンドセッターとしての名声を確固たるものにします。

TAG Heuer Carrera, Reference CS3110, circa 1996, © TAG Heuer

1996年 – 復刻

タグ・ホイヤーは1996年にカレラを復刻。限定発売とすることによる成功がもたらした予想外のインパクトは、タグ・ホイヤー、そしてウォッチコレクターの世界が進む方向を永遠に変えることになります。この復刻されたウォッチが、ホイヤー初期の神話と魔法に改めて注目が集まるきっかけとなり、新世代のヴィンテージ ホイヤーのコレクターたちにインスピレーションを与えることになったからです。これによってカレラは、興味深い復刻というポジショニングから、タグ・ホイヤーのウォッチコレクションの中で中心となる重要な位置を占めるものになり、以来、変わることなくその地位を維持しています。

 

カレラ復刻の成功はまた、タグ・ホイヤーがフォーカスする製品を変えることにもなり、ヘリテージをブランド哲学の中心に据えるようになると、このシフトはすぐに時計業界全体に波及していきました。ジャック・ホイヤーはこの時のことを後にこう語っています。「歴史的なモデルを復刻し、販売できるようにしたのはタグ・ホイヤーが初めてでした。今でこそ、時計業界ではよくあることですが」。

TAG Heuer Carrera Mikrogirder, Reference CAR2C10.FC6323 © TAG Heuer

2012年 –精度の追求

カレラは再び、タグ・ホイヤーの驚天動地のイノベーションを実現する手段となります。2012年、最新鋭の調整システムを搭載し、5/10,000秒までという驚異的な精度を誇り、重力をものともしない機械式クロノグラフ「タグ・ホイヤー カレラ マイクロガーダー」が発表されたのです。よりシンプルで、より速く、そして想像もつかないほど効率的な「マイクロガーダー」は、タグ・ホイヤーがエンジニアリングにおいてこれまでに達成したものの中でも屈指の偉業であり、ジュネーブ時計グランプリ (GPHG) で最高位のエギーユ・ドールに輝いています。

TAG Heuer Carrera 160 Years Anniversary Limited Edition, Reference CBK221B.FC6479, © TAG Heuer

2020年 – タグ・ホイヤー創業160周年

2020年に創業160周年を迎えたセレブレーションの一環で、タグ・ホイヤーは、オリジナルモデルのエフォートレスなスタイルを表現したオマージュモデル「タグ・ホイヤー カレラ 160周年シルバー リミテッドエディション」や、1963年モデルの影響を受けながらも、モダンなエッジが際立つタイムピース「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 スポーツクロノグラフ」など、数多くの新作カレラを発表しました。こうした新顔のカレラは全て、タグ・ホイヤーの長年の経験とノウハウによって形になったモダンなイノベーション「キャリバー ホイヤー02」を搭載しています。

カレラのダイヤモンドアニバーサリー

それが「今、ここ」につながっています。タグ・ホイヤーは、伝説的なカレラ コレクションの60年を記念して、1960年代後半のカレラRef. 2447 SNから着想を得たタグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ 60周年 アニバーサリーエディションを皮切りに、さまざまな新作モデルを発表しています。

 

もちろん、全てのクラシックなディテールに洗練されたモダンなタッチを加えなければ、タグ・ホイヤーのトリビュートモデルとは言えません。コレクターズアイテムとして極めて価値の高いこの600本限定エディションは、少し大きめのケースに一目でカレラと分かる“パンダ”ダイヤル、最新鋭のムーブメント、見た瞬間に表示が読み取れる視認性の高い洗練されたスーパールミノバを塗布したディテールを備えています。

 

時計、スポーツ、モダンデザインの世界を横断する美的・技術的アイコンのタグ・ホイヤー カレラは、決して主張し過ぎることのない、高機能なエレガンスのアイコンとして、永遠に存在し続けることでしょう。カレラが歩んできた歴史を振り返り、この不朽の遺産に祝杯をあげましょう。次の60年に乾杯!