ライフスタイル シドニーの意外な楽しみ方

新しい旅先の過ごし方を提案するシリーズへようこそ。

ぜひ訪れてみたい街としてしばしば名前が上がる街、シドニー。それは、ビーチがあるということだけが理由ではありません。人気の秘密は、太陽、サーフィン、洗練された雰囲気、そしてユニークな文化の融合を誇る大都市が、シドニー以外、ほとんど見当たらないところにあります。「ハーバーシティ」とも呼ばれるシドニーは、広大で変化に富み、目を見張る建築物、グローバルな料理、息を呑むような絶景、他に類を見ないスポーツ・アドベンチャーが愉しめる街としてその名を馳せています。シドニーを訪れた記念のセルフィスポット、オペラハウスを見つけるための案内などは不要だろうと思うので、ここでは、地球の反対側でも自分の家にいるようにくつろげる、ひと味違う旅のヒントをご紹介しましょう。

Sydney, Australia

絶妙な融合

シドニーでは、少し行っただけで全く別の場所にいるような気分を味わうことができます。それはとりわけ、この街の多様な食の伝統を示す、印象的なダイニングスポットが豊富にあるためです。その中でも一押しが、シドニーのセントラル・ビジネス・ディストリクトにひっそりと佇む、アート満載のオアシス。歴史的建造物であるこの場所は、世界的に有名なシェフ和久田哲也氏により日本建築の伝統的な要素を取り入れて改装され、見事な日本庭園を備えた、落ち着きのあるスタイリッシュなダイニング空間となっています。1989年にオープンした「Tetsuya’s(テツヤズ) 」は、フランス料理の技法と地元の食材を用いて日本料理のメニューを再構築し、シドニーのレストランシーンに革命をもたらしました。以来、世界のベストレストランの上位に常にランクインしています。

  • Tetsuya’s(テツヤズ) – 529 Kent St, NSW 2000

Tetsuya’s, Sydney, Australia

Tetsuya’s, Sydney, Australia

オーストラリアの歴史を堪能

ここから今のシドニーが始まったとされる地域「ロックス」には、狭い路地に個人経営のブティックや歴史的建造物、オーストラリア最古のパブなどが混然としています。石畳の裏通りには、多くの魅力あふれる歴史的スポットがあり、週末のマーケットには、洒落たお土産やオーガニックフード、地元アーティストの作品などが所狭しと並びます。ロックスを少し歩くだけでも、シドニーの歴史を感じることができますが、本当に時間を遡りたいのであれば、1850年代に建てられた砂岩の倉庫を復元した「ディスカバリー・ミュージアム」を訪れてみて下さい。そしてその後は、ハーバーの最高の夜景が愉しめるテラス席で、シドニーならではの「スキーナー」と呼ばれるサイズのビールと一緒に、料理に舌鼓を。

  • The Rocks – NSW 2000

白ウサギを追いかけて

他の大都市と同様、シドニーにも立派なギャラリーや巨大な美術館がありますが、インパクトのあるモダンアートに興味がおありなら、「White Rabbit(ホワイト・ラビット) 」は必見です。21世紀の中国近代アートの壮大なプライベートコレクションを展示するため、2009年にカー・ニールソン、ジュディス・ニールソン夫妻によって設立されたこのギャラリーは、シドニーでも指折りのエキサイティングな知る人ぞ知る隠れ家的場所です。チッペンデールの緑豊かな通りにある、1940年代のロールスロイスのサービス工場を改装した建物を会場に、その時々で話題になっているテーマを探求した、様々なインスタレーション、彫刻、絵画などをミックスして展示しています。アート作品に圧倒されて疲れてしまったら、1階の茶室へ。美しい鳥かごの下で、中国や台湾の餃子やお茶を愉しみながら、ここでの体験を振り返るうちに、自分を取り戻すことができます。

  • White Rabbit(ホワイト・ラビット) – 30 Balfour St, NSW 2008

The White Rabbit Gallery, Sydney, Australia

由緒ある邸宅

シドニーの現代アートシーンを堪能した後、気分を変えて、違う時代も見てみたいとお思いなら、シドニーに残る数少ない19世紀の大邸宅を巡る没入型のツアーに参加してみるのはいかがでしょうか。シドニー東部の美しい郊外に位置し、今もなお、建築当初からの庭園に囲まれている「ボークルーズ・ハウス」は、オーストラリアの政治的・建築的遺産について学びながら、静かな午後のひとときを過ごせる別世界のような場所です。1805年に建てられたこの建物は、何かと話題になった政治家ウィリアム・ウェントワースが購入して拡張し、1915年にオーストラリア初のハウスミュージアムとなりました。奇抜な建築様式と緑豊かな閑静な庭園で知られる見事な邸宅を訪問して、タイムトラベルをお愉しみ下さい。

  • Vaucluse House(ボークルーズ・ハウス) – 69A Wentworth Rd, NSW 2030

地球の裏側でダイビング

スポーツは、オーストラリアの文化の重要な一部。シドニーへの旅も、アクティブなアドベンチャー抜きには語ることができません。ゴードンズ・ベイでのシュノーケリング、シャーク・アイランドへのカヤック、ハーミテイジ・フォアショア・トラックでのウォーキングなど、シドニーは、ほぼ一年中理想的な気候と、あらゆる種類のアウトドア体験が愉しめる景観を備えています。スポーツをしない言い訳が見つかりません。「ダウンアンダー」と称されるこの地で冒険してみたいという方にぜひ試して頂きたいのが、数々の受賞歴を誇る「ダイブ・センター・マンリー」です。シドニー No. 1の海洋保護区の近くにあるだけでなく、街の中心部からもフェリーですぐの場所に位置しています。同センターでは、シドニー随一のダイブスポットへのボートツアーを初め、ローカルツアー、グループアクティビティ、そして参加者それぞれのレベルに合わせた多彩なコースが用意されています。

  • Dive Centre Manly(ダイブ・センター・マンリー) – 10 Belgrave St, NSW 2095

Dive Centre Manly, Sydney, Australia

バレーでワインを満喫

オーストラリアは、恵まれた気候やエネルギッシュなスポーツ文化の地である他に、世界的なワインの生産地としても知られています。オーストラリア最古の最も有名なワイン産地である「ハンター・バレー」は、シドニーから車で北にわずか2時間のところにあります。150年にわたって国際的に高い評価を受けてきたこの地域では、今もなお、長年の伝統に新鮮なエネルギーを注入する、新しいエキサイティングなワインメーカーが生まれています。ワイン通を自認する人であれば、この地を訪れるのは考えるまでもないことですが、ブドウの品種でセミヨンとシラーの区別がつかない人にとっても、魅力はたくさんあります。ハンター・バレーではワイン以外にも、雄大な国立公園でのハイキング、ブドウ畑でのライブコンサート、この地域ならではの食事やショッピングなどが愉しめます。

  • Hunter Valley(ハンター・バレー), NSW

Hunter Valley, Sydney, Australia

誰はばかることなく、贅沢に過ごす時間

太陽、スポーツ、ショッピングを満喫し、喧騒と上品さが同居する雰囲気の中で、ちょっとしたロマンスを求めるなら、「ヒューバート」へ足を運んでみて下さい。シドニーのダウンタウンに位置するこの人気レストランは、内装と料理で世界的にも高い評価を得ています。曲がりくねった階段を下りると、コルクの栓を抜く音が鳴り響き、ジャズの生演奏が聞こえる世界があなたを誘います。そこには、シェフのダン・パッペレル氏の、最高のフランス料理にモダンで意外性のあるひねりを加えたメニューが待っています。ベアトリクス・ダイニングルームでは、パリ左岸の香りが漂い、ピアニストが30年代を彷彿とさせる曲を奏でてくれます。地階にあるレストランで至福のひとときをお過ごし下さい。

  • Hubert(ヒューバート) – 15 Bligh St, NSW 2000

大切な人のためであれ、自分のためであれ、何か思い出に残るものを買わずにこんな遠くまで旅をするのはもったいないですよね。シドニー・ハーバーの静かな水面のようにきらめき、ビーチに打ち寄せる波を思わせる印象的なお土産をお探しなら、セントラル・ビジネス・ディストリクトにある広大な高級ショッピングセンター「ウェストフィールド・シドニー」へお出かけください。センター内に位置するタグ・ホイヤー ブティックなら、あちこち歩き回る必要もなく、素敵な旅の記憶と同じように、長く使い続けられる思い出の品を見つけることができます。

  • タグ・ホイヤー ブティック, corner of Pitt and Market Streets, Westfield Sydney, NSW 2000

TAG Heuer Boutique, Sydney, Australia