ライフスタイル ロンドンの意外な楽しみ方

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新しい旅先の過ごし方を提案するシリーズへようこそ。

18世紀の作家サミュエル・ジョンソンは、「ロンドンに飽きた人は、自分の人生に飽きた人だ」と書いています。グローバルな都市は数多くありますが、ロンドンの多様性、個性、そして文化的意義に匹敵する都市は他にありません。何千年もの歴史を持つイギリスの首都が、文化と矛盾が衝突する輝かしい場であることも至極当然のことと言えます。世界で最も折衷的なショッピングが楽しめる街であり、世界トップクラスの劇場やギャラリーにあふれ、国連が定める森林の定義を満たすほどの壮大な公園に育つ木々があるなど、ロンドンにはあらゆる魅力が揃っています。「ビッグ・ベン」については、何世紀にもわたって多くのことが語られ、書かれ、歌われてきたので、今回はそのビッグ・ベンから離れて、地元の人しか知らないようなスポットをご紹介していきましょう。

地下からスタート

イギリス人は紅茶好きで有名ですが、ここ数十年でようやくコーヒー文化が浸透してきました。オックスフォード・ストリートの喧騒に足を踏み入れるつもりなら、その前にコーヒーは欠かせません。フィッツロビア地区の中心部には、ビクトリア朝時代に建てられた公衆トイレ(そう、トイレです) を、愛情たっぷりに生まれ変わらせたロンドンのトップブランチカフェのひとつ「アテンダント」があります。ユニークなコーヒー体験をお望みなら、このコンパクトな地下のスポット以上に思い出に残る場所はないはずです。

  • The Attendant – 27A Foley Street, W1W 最寄り地下鉄駅:グージ・ストリート(Goodge St.)

ブティックに囲まれたホテル

シックな田舎の隠れ家のような雰囲気を持つ「ハムヤード・ホテル」は、シャフツベリー・アベニューのすぐ裏にひっそりと佇んでいます。緑豊かな屋上庭園、キット・ケンプによるファッション性の高いインテリア、1950年代に作られた昔のままのボウリング場が自慢の、アートに満ちたホテルです。ハムヤード自体、独立したブティックが点在し、トニー・クラッグのブロンズ彫刻が中央に置かれ、木立に囲まれた “村” のような存在。ソーホー地区の中心部に位置するまさに珠玉のホテルです。

  • The Ham Yard Hotel – 1 Ham Yard, W1 最寄り地下鉄駅:ピカデリーサーカス(Piccadilly Circus)

川の流れに身を任せ

国会議事堂、ロンドン塔、シェイクスピアズ・グローブ、セント・ポール大聖堂。テムズ川沿いに立ち並ぶ、ロンドンを代表する有名な建築物。観光よりもスリルを味わいたいけれど、それでもガイドブックに載っている名所はおさえておきたいのであれば、人混みを避けて、ちょっとしたアクションを起こしてみるのはどうでしょう。リトル・ベニスの運河や水路を探検したい方も、ロンドンを象徴するタワーブリッジの下を通り抜けたい方も、ほとんどの観光客が経験することのないアングルからロンドンを見ることができるます。

オイスターの 長いリスト

この「ホクストン・ホテル」は、なんと、ホクストン地区ではなくテムズ川のすぐ南側のサザーク地区にあります。このホテルの14階に位置するレストラン「Seabird(シーバード) 」の床から天井まである一面の窓からは、ロンドン有数の絶景が一望できます。ブルックリンの「メゾンプレミア」のオーナーであるジョシュア・ボワシー氏とクリストフ・ジッカ氏とのジョイントベンチャーである「Seabird(シーバード) 」は、ロンドンで最も長いオイスターリストを誇る、大理石がふんだんに使われたシーフードレストランです。建物はまだ新しく、ここでの食事は時代を超越し、内装も出される魚介類のように新鮮です。

  • The Hoxton, Southwark, 40 Blackfriars Road, London SE1 最寄り地下鉄駅:バラ(Borough)

ゴールドを探し当てる

「ノッティング・ヒル」は、ロンドンの基準から見ても、豊かで波乱に満ちた文化の歴史を持っています。有名なポートベロー・ロードは、1世紀以上にわたり、世界中の多岐に渡る人々を魅了し、ジョージ・オーウェルからステラ・マッカートニーに至るまで、様々なアーティストにインスピレーションを与えてきました。伝説的なマーケットでアンティークの宝物を物色しながら午後を過ごした後は、ウッドオーブンで調理されたそれぞれの季節の旬の味覚を活かした料理をシェアするカジュアルなレストラン「ゴールド」で至福のひとときをお楽しみ下さい。この界隈に住む人たちも気軽に訪れる人気店には、ゆったりとしたローカルな雰囲気が漂い、バーは深夜まで営業しています。

  • Gold – 95-97 Portobello Rd, W11 最寄り地下鉄駅:ノッティング・ヒル・ゲート(Notting Hill Gate)
  • Courtesy of Gold

チェルシーに興味津々

(比較的) 観光客の少ない場所で、本当に素晴らしい建築物に驚嘆したいのであれば、「チェルシー薬草園」にぜひ足を運んでみて下さい。テムズ川の最も風光明媚な流れのひとつから歩いてすぐのところにあるこの庭園は、1673年に薬剤師名誉協会によって建造されたもの。その植物学的な美しさはどんなにおおげさに言っても言い足りないほどです。この近辺には、文学ファンなら是非訪れたい、この薬草園から数通り先にある、かつてオスカー・ワイルドのタウンハウスであったことを示す “ブルー・プラーク” があります。また、あまり知られていませんが、ロンドン有数の見事な緑地が広がる「バタシー・パーク」も川を渡ってすぐのところにあります。

  • Chelsea Physic Garden – 66 Royal Hospital Rd, SW3 最寄り地下鉄駅:スローン・スクエア(Sloane Square)

オリンピック レガシー

ロンドンの最もエキサイティングな地区の全てが、何百年も前から存在するわけではありません。イースト・ロンドンのストラトフォードは、2012年のオリンピックの中心地となったことで、爆発的な勢いで再開発が進められ、そのレガシーは今も息づいています。スポーツファンなら、「アクアティック・センター」で泳いだり、自転車で緑豊かな公園を走った後、運河沿いの「ヒア・イースト」の屋外で食事を楽しむことができます。ここはまさに都会の中の都会。再開発は決して終わりません。2022年からは、サドラーズ・ウェルズ劇場、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション、V&Aミュージアムなどがこのエリアに新たにオープンする予定です。さらに、ヨーロッパ最大のショッピングセンター「ウェストフィールド」もあります。

  • Queen Elizabeth Park, Stratford, E15 最寄り地下鉄駅:ストラトフォード(Stratford)

最後に忘れてならないのが

ロンドンでの思い出に残るエレガントなお土産や特別な人へのプレゼントを探しているなら、あちこち歩き回って無駄なエネルギーを使わずに.

  • TAG Heuer Boutique – 449 Oxford Street, W1C 2PR 最寄り地下鉄駅:オックスフォード・ストリート(Oxford Street)

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