スポーツ トリプルクラウンを振り返る

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インディ500、オラクル・レッドブル・レーシングが駆け抜けた2023年モナコGP、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツが参戦した記念すべき100回目となるル・マン24時間レースのハイライトをまとめました。

インディ500、モナコGP、ル・マン24時間レースは全く異なるタイプのレースですが、この3つのレースが、モーターレーシングの世界三大レースと呼ばれています。それぞれのレースにユニークな歴史と語り継がれてきた伝説があります。今年、The Edgeはこの人気三大レースを取材する機会に恵まれ、80回目を数えるモナコGPではオラクル・レッドブル・レーシングを応援し、記念すべき100回目のル・マン24時間レースではポルシェ・ペンスキー・モータースポーツに寄り添い、インディ500では公式計時を担当しました。それは、実に 貴重な体験となりました。それでは、はやる気持ちを抑えて、レースのハイライトをご紹介していくことにしましょう。

スピードウェイを祝って

インディ500は常に私たちの心の中で特別な位置を占めています。そこには1世紀を超える豊かな歴史があります。時の流れの中で、このレースはアメリカ文化の定番となり、そのレース日はスポーツカレンダーの中でもとりわけ開催が待ち望まれる日となっていきます。インディ500には、33台のマシンが横3列に並んでスタート、ブリックヤードにキスをして勝利を祝う伝統、優勝ドライバーが瓶に入った牛乳を飲まされる等、ユニークな特徴がいくつもあります。  

今年私たちは、この モーターレーシング最大のスペクタクルの魅力を最大限に伝えられるよう万全を期しました。そこで、電光石火のピットストップを実現するスキルの分析から、インディ500ならではの雰囲気を私たち独自のレンズで捉えることまで、様々な観点からこのレースを取材し、発信したのです。さらに、The Edgeのポッドキャストでは、インディアナポリス・モーター・スピードウェイの代表者ダグラス・ボールズ氏を迎え、革新的なテクノロジーを取り入れ新世代のファンを惹きつけることで、このモーターレーシング屈指のイベントをどのように進化させていこうとしているのかを語ってもらいました。また、レーシングドライバーのアレクサンダー・ロッシには、ルーキーイヤーの2016年に100回目となるインディ500を制した瞬間を振り返ってもらいました。そして、もう1つのハイライトが、限定エディションのタイムピース「タグ・ホイヤー フォーミュラ1 インディ500」の発表です。

  • インディ500

魅惑の輝きを放つモナコへ

次の目的地はモナコです。F1史上最も忘れがたい瞬間の数々を生んできたモナコGPは、モーターレーシングファンなら誰もが憧れるレースの聖地です。そして、80回目となる今年もその期待を裏切りませんでした。スタンドを埋め尽くした観衆を魅了したのはまたしてもマックス・フェルスタッペンの華麗な走り。2度のF1ワールドチャンピオンに輝くフェルスタッペンは、オラクル・レッドブル・レーシングのマシンを駆り、終始レースを支配します。私たちは、彼の新しいラッキーチャームである、特別にカスタマイズされた「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ」が、この勝利に少なからず貢献したとひそかに自負しています。このカスタムメイドのタイムピースには、F1王者のフェルスタッペンにふさわしく、ダイヤルに前年のワールドチャンピオンのみが付けることを許されるマシンナンバー「1」が堂々とレッドで刻印されています。  

サーキットの外では、豪華客船ジャック・カルティエ号で、スターたちとの華やかな夕べが催されました。このレースの週末を彩ったゲストの中には、テニス界のレジェンド、マリア・シャラポワ、俳優のウィ・ハジュン、トム・ホランド、ルイ・パトリッジ、モデルのサラ・サンパイオ、伝説のボクサー、コナー・マクレガーといったタグ・ホイヤーのブランド アンバサダーも揃いました。さらに、音楽界のアイコン、カイリー・ミノーグも登場し、この夜を盛り上げました。モナコでの夕べは、記憶に残るイベントになりました。

  • モナコ、モンテカルロ - 5月27日:2023年5月27日、モナコのモンテカルロ市街地コースで行われたF1モナコGP予選で、チャンピオンナンバーの「1」が入ったオラクル・レッドブル・レーシングRB19を駆るマックス・フェルスタッペン (オランダ)。(Photo by Dan Mullan/Getty Images)

100年の歴史、24時間のレース、1つの伝説

インディ500とモナコGPが終わると、すべての注目が “世紀のレース” へと向かいます。それが、世界最大の耐久レースのひとつに数えられるル・マン24時間レース。今年で100回目を迎えました。そして、サルト・サーキットに足を運んだすべてのファンと同様、私たちもこの節目を盛大に祝いました。このレースの特徴は、何と言ってもそのユニークなフォーマット。決められた距離や周回数で走るほとんどの他の耐久レースとは異なり、ル・マンではまさに真の耐久力が試されます。ドライバーとチームは、24時間を通してマシンの限界に挑むため、スピードと信頼性のバランスを取る必要があります。これによって、途中紆余曲折ありながらの過酷で、しばしば予測不可能なレースが展開されます。  

ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのような名門チームは、どのようにしてこのような挑戦に備えるのでしょうか? そこでThe Edgeは、タグ・ホイヤーのアンバサダーを務めるパトリック・デンプシーとともに、チームのガレージを特別に見学させてもらいました。ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのクルーの助けを借り、デンプシーによる舞台裏の案内で、ル・マンでの長く厳しい週末にチームを維持することがどのようなものであるのかを知ることができました。さらに、ファクトリー・レーシングのディレクターであるウルス・クラトレが、ポルシェの耐久レーシングマシン「963」の開発についてThe EdgeのPodcastで語ってくれました。それだけではありません。ポルシェのワークスドライバーであり、バーチャル・ル・マン24時間レース2020の優勝者でもあるジョシュア・ロジャースとともに、eスポーツの世界も探りました。ジョシュアは、モータースポーツが “リアル” と “シミュレーション” のギャップをどのように埋めることができるかについて、自身の考えを語ってくれました。そして最後に、元FIA世界耐久選手権チャンピオンのマルク・リエブが、自身の素晴らしいキャリアをジャンプスタートさせた瞬間を振り返り、ル・マンがいかに特別なものであるかを教えてくれたのです

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