時計 アニバーサリー:カレラの60周年を祝して
LVMH ウォッチウィーク 2023
3分
エルヴェ・ガレ ジャーナリスト
1962年3月24日、フロリダ。セブリング12時間レースで、フェラーリが優勝を勝ち取ります。モータースポーツファンにとっては記念すべき出来事です。一方ウォッチメイキングの世界では、この日は別の理由で歴史に刻まれる日となりました。このレースでメキシコ人ドライバーの兄弟、ペドロ・ロドリゲスとリカルド・ロドリゲスの2人がリタイアを余儀なくされました。そしてレースを見ていたジャックに会ったのです。情熱を同じくする彼に2人は、かつて故郷で開催されていたラリー、カレラ・パナメリカーナの話をします。メキシコの北から南の国境の間3,000kmを走り抜けるこのラリーは、1950~1954年に5回開催された後、その危険性から幕を閉ざすことになりました。
スペイン語で「道」と「レース」の意味を持つ“カレラ”という言葉に憑りつかれたジャックは、その名をもつウォッチを創ることにします。当時主流だったものよりも少し大きめのダイヤルを開発し、視認性を向上させるフランジと、3時位置と9時位置に小さなカウンターを配備。簡単に操作できるサイドのプッシュボタンも採用しました。1963年に初めてホイヤー カレラが登場すると、たちまち人気を博しました。この代表的なクロノグラフは、時代の中でいくつものバージョンに進化を遂げていき、ひとつのコレクションを築くことになったのです。
それから60年。アイコンの中のアイコンであるこのウォッチを讃える時がやって来ました。この記念すべき年の幕開けにタグ・ホイヤーは、最も人気のあるヴィンテージ カレラのひとつである、1960年後半に作られたレファレンス 2447 SN にオマージュを捧げることにしました。そして生まれたのが、タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ 60周年 アニバーサリーエディション。世界限定600本のステンレススティール製39mm径モデルです。パンダ ダイヤルにはブランドのヴィンテージロゴが施され、シースルーのケースバックからは、カレラの伝統に根差した精度と視認性をもつ最先端の自社製自動巻ムーブメント、キャリバー ホイヤー02を見ることができます。
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タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ 60周年 アニバーサリーエディション(CBK221H.FC8317)
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