スポーツ フォーミュラEの豆知識(パート2) :画期的なレースの進化の段階

5分

フォーミュラEのテクノロジーがどのように進化してきたかを探ります。

フォーミュラEのマシンの動力源は純粋に電気のみ。つまり、モビリティやモータースポーツの未来を切り拓いているわけです。フォーミュラEはまだ7シーズン目ですが、それを支える技術は常に良い方向へと進化しています。どの世代のマシンも、より良い次の世代のマシンを生み出すのに役立っています。ここでは、フォーミュラEのテクノロジーがどのように進化してきたかを探ります。

第1世代

2014年、満を持してフォーミュラEのファーストシーズンがスタート。当時登場した第1世代のマシン Gen1こそが、モータースポーツにおける全く新しい時代の幕開けを告げるものでした。スタート直後、レース中のマシンスワップ、新しいタイプの戦略や技術が必要となりました。しかし年を重ねるうちに、Gen1は様々な変化を遂げていきます。2シーズン目には、新たなレギュレーションが導入され、モーター、インバーター、ギアボックス、リアサスペンションなど、メーカーが独自に設計できる権限が与えられます。出力は170kW(230bhp) に引き上げられました。翌シーズンには、厳格な規制が要求されるストリートレースにも適切に対応するため、フロントウイングを強化し、Gen1がさらに斬新な姿に生まれ変わります。また、バッテリー技術の大幅なアップグレードにより、効率が50%も向上しました。こうした全ての変更により、マシン全体の最小重量が8kgも軽くなったのです。

 

第2世代

Gen1は、フォーミュラEのテクノロジーを次の段階へと押し進めました。そして、第2世代のマシン Gen2が誕生します。パワーアップしたこのスピードスターは、蓄電容量がGen1の2倍に。1台でレースが完走できるようになり、マシンスワップが不要となったのです。出力250kWのGen2は、0km/h → 100km/hの加速を2.8秒で実現。最高速度も280km/hまで出すことができるようになりました。こうしたことが意味するのは、スピードもアクションも加速するということです。Gen2では、FIAが義務付けたHalo(ヘイロー) と呼ばれるレーシングドライバーの頭部を保護するための環状の防護装置をコクピット周辺に取り付け、安全性の向上も図っています。そして「アタックモード」。危険を冒せば、それだけ見返りも大きいというこの「リスク&リワード」のスピリットでのパワーブーストが、全てのレース、全てのレース戦略にさらなる魅力を与えることになりました。

第3世代

第3世代のマシン Gen3が、このモータースポーツをさらなる次元へと引き上げました。サーキットでの性能がアップしただけでなく、よりサステナブルに製造されるようになったからです。マシンメーカーは、提案するマシンのフル・ライフサイクル・アセスメントを実施することが義務付けられています。今後は、サステナブルな材料の使用、消耗品の寿命、使用済み部品のリサイクルやセカンドライフのプロジェクトなど、様々な取り組みが行われる予定です。その先には、より明るく、より速い未来が待っています。

未来は電気で動く

フォーミュラEの技術は、目まぐるしい進化を遂げ、モータースポーツのスピードとスリルに何ら妥協することなく、安全で操作も簡単な電気自動車を製造するプロセスを劇的に加速させています。そんなフォーミュラEは、サーキットの内外を問わず、全ての人のために、より良い、よりクリーンで、より安全な未来の創出に貢献することを究極の目標に掲げています。