スポーツ グランプリ・ドゥ・モナコ・ヒストリック:2日目

第13回グランプリ・ドゥ・モナコ・ヒストリックのライブアップデートをフォロー

© ACM / Olivier Caenen

モータースポーツの8つの時代。栄光のレーシング時代を偲ぶ3日間。1つのアイコニックなサーキット。それが今回で13回目を数えるグランプリ・ドゥ・モナコ・ヒストリックです。そこでこのレースの公式スポンサー兼公式タイムキーパーとして、私たちが予選から決勝までの模様をお届けしたいと思います。華麗な走りが繰り広げられる、ノスタルジックなレーシングウィークエンドをご紹介します。

でも、今日の行動を起こす前に、一度ピットストップしませんか。先ず、昨日のフリー走行のハイライトを簡単に振り返ってみましょう。また、初日のモナコの様子はこちらでお読み頂けます。

 

レースはロイヤルスタート

快晴の金曜日の朝、モナコ公国のアルベール2世がグランプリ・ドゥ・モナコ・ヒストリックの開幕式に登場。モナコ公は、180台以上の名車が並ぶパドックを訪れ、早く走りたくてウズウズしているドライバーたちを激励しました。

咆哮の70年代

新時代のF1マシンは、こうした年代物のレーシングカーをはるかに凌駕していると思っていましたが、70年代に活躍したシリーズEのマシンは、そんな思い込みを一掃してしまいました。なにせ現在のラップレコードとわずか10〜15秒差という驚異的なラップタイムを叩き出したからです。

単なるヴィンテージショーではなく

誰もが、和気あいあいとした、あまり張り合うこともない、のんびりしたフリー走行になるものと思っていました。ところが、どんなマシンであれ、一旦それに乗り込めば、限界までそのマシンを追い込んでいくのがレーシングドライバーのDNAであることをすっかり忘れていたのです。それは、ラスカスの手前でイアン・シモンズとケン・ティレルの2台のティレルが接触したのを見ただけで分かります。2人に怪我がなかったことを祈っています。

縁の下の力持ち

メカニックたちが夜遅くまで懸命に作業しながら、予選の準備をする姿が見られました。ドライバーを見守るマーシャルの様子も目にしました。医師や医療関係者がサーキットを移動しているのを見かけたこともあります。このレースを実現するために、こうした人たちが大きな役割を担ってくれていることも忘れてはなりません。彼らがいなければ、ドライバーもファンもこのようなスペクタクルを楽しむことはできないのですから。

 

それでは、予選の模様へと進みましょう。

今日の出来事

5月14日(土)

今日は予選! 戦前のマシンから1980年代のF1マシンまで、各シリーズで日曜日の決勝レースのポールポジションを決めるためのバトルが始まろうとしています。各シリーズの予選セッションは25〜30分程度です。さあ、お待ちかね、時間との闘いの時間になりました。

© TAG Heuer

予選のライブアップデート

午前8時45分

グラハム・ヒル:レースB – リアエンジン、1500、F1グランプリマシン(1961年~1965年)&F2(1956年~1960年)

出走マシン:31台

スタートしました! 予選の最初のレースの結果が出ました。フェラーリを駆ったアメリカ人のジョセフ・コラサッコがポールポジションを獲得。タイムは1分47秒631でした。古いレーシングカーの記録としては悪くありません。2位、3位はロータスに乗ったマーク・ショーとクーパーのクリストファー・ドレイクでした。

午前9時45分

ルイ・シロン:レース A1 – 戦前のグランプリマシン

出走マシン:20台

ワォ! マシンナンバー58のマーク・ギリースが見事なラップを刻みポールポジションに。1.115秒差で2位のニコラス・トップリスを抑え、3番手には、マセラティのアンソニー・シノーポリが入りました。

午前10時30分

ファン・マヌエル・ファンジオ:レースA2 – 1961年以前に製造されたフロントエンジン グランプリマシン

出走マシン:20台

レッドフラッグ! マーシャルたちがコースに出て、スピンして止まったカーナンバー50と30を素早い作業でコースから運び出しました。

午前10時59分

ファン・マヌエル・ファンジオ:レースA2 – 1961年以前に製造されたフロントエンジン グランプリマシン

出走マシン:20台

極めて迅速で、見事な仕事ぶりです。ドイツ人のアレックス・ビルケンシュトックのフェラーリ246(ディーノ) が 1分52秒421のラップタイムでトップに立ちました(この日のファステストタイム?) 。

午前11時55分

ジャッキー・スチュワート:レースD – F1グランプリマシン 3L(1966年〜1972年)

出走マシン:19台

曇り空ですが、モナコは熱気に包まれています。戦前から1961年以前に製造されたマシンまでをずっと見てきました。そして今度は、レースDのマシンで、カーデザインの大きな飛躍を目の当たりにしています。スチュアート・ホールは、ホワイトとオレンジのマクラーレンM19Aをトップグリッドにつけたところです。あのラップタイムを見てください。1分30秒096ですよ。

午前12時15分

ニキ・ラウダ:レースE – F1グランプリマシン 3L(1973年〜1976年)

出走マシン:27台

ピットレーンの美しさには目を見張るものがあります。70年代のエンジンの力強い咆哮が聞こえてくるようです。レースDでマクラーレンM19Aをポールポジションに導いたスチュアート・ホールがレースEに再び登場。今回はマクラーレンM23に乗り込みます。

午後12時55分

スチュアート・ホールは人生を大いに楽しんでいます。またもやポールポジションを獲得したんですから。ローラT370のブラジル人ドライバー、ロベルト・モレノがホールに続き、ロータス76のマルコ・ヴェルナーがトップ3の最後の1人に入りました。イタリア人のコメンテーターは、まるでF1グランプリのようにエネルギッシュな早口で解説しています。観衆もその全てを楽しんでいます。

 

午後1時

ホスピタリティラウンジからの眺めはまさに絶景。私たちは、タグ・ホイヤーのゲスト、モータースポーツとモナコ・サーキットをこよなく愛する時計愛好家たちに囲まれています。この見晴らしのきく地点からは、ピットレーンやマシンが通過する様子、少なくとも5棟の建物からバルコニーで観戦する地元の人たちの姿が見えます。こちらでは、レースは酸素のようなものです。

© ACM / Olivier Caenen

午後2時30分

ヴィットリオ・マルゾット:レースC – スポーツレーシングカー – フロントエンジン(1952年~1957年)

出走マシン:34台

昼食を終えた観客がぞろぞろと席に戻っていきます。お腹はいっぱいになっても、レースへの “食欲” は全く衰えません。正直なところ、私たちもそうです。カモメたちが残った料理を狙いに来るように、レースC出走のマシンもこのサーキットに残る感動を味わおうと争奪戦に乗り出します。

 

午後2時55分

フレデリック・ウェイクマンが、まるでバーテンダーのようにブルーのクーパー ジャガーT38(MK2) を華麗に操り、ポールポジションを獲得。ルーカス・ハルサがマセラティ300Sでフロントロウを完成させます。同じくマセラティ300Sのギレルモ・フィエロ・エレタが余裕で3位に入っています。

午後3時55分

ジル・ヴィルヌーヴ:レースF – F1グランプリマシン 3L(1977年〜1980年)

出走マシン:19台

レースFは波乱含みで、2回もレッドフラッグが振られました。2回目は、カーナンバー29と17のちょっとしたケンカの結果です。29のマシンが17のインに入ろうとします。おそらくフライングラップだったと思われます。ですが、17がそれを許さなかったので、29が17のバックウィングに接触し、2台とも停止。どちらのドライバーも相手の走りに問題があったと感じているようでした。

 

午後4時15分

結局、明日のグリッドでポールポジションとなったのは、マイルズ・グリフィス。イエローのフィッティパルディF5Aを操る男にとって、素晴らしいセッションとなりました。

午後5時15分

アイルトン・セナ:レースG – F1グランプリマシン 3L(1981年〜1985年)

出走マシン:22台

ファイナルセッションは、ロータスの2台がフロントロウを独占する形で幕を閉じ、ポールポジションはロータス87Bのマルコ・ヴェルナー、2位はロータス92のマイケル・ライオンズでした。

 

以上が予選の結果です。

明日は、見応えのあるバトルが繰り広げられることでしょう。私たちがレースをレポートして楽しんでいるように、皆さんもレースをフォローして楽しんでくださいね。明日またレース決勝でお会いしましょう。

それまで、2日目のモナコの様子を伝える記事もぜひこちらからお読みください。