時計 究極のコレクターズガイド：タグ・ホイヤー セナ スペシャルエディション

タグ・ホイヤーのスローガン「Don’t crack under pressure＜プレッシャーに負けるな＞」を体現する者として、生前もそしてこれからもレジェンドであり続けるアイルトン・セナ以上にふさわしい人物はいません。超人的なモーターレーシング界のスター、アイルトン・セナは、今もなお、桁外れの勇気、並外れたドライビングテクニック、粘り強く困難に立ち向かう忍耐力の代名詞であり続けています。彼のようなドライバーはもう二度と現れないと言う人さえいます。セナは、サーキットでの勝利にとどまらず、常に限界を超え、壁を打ち破り、パフォーマンスのレベルを上げていく選手として知られていました。

タグ・ホイヤーとセナの永続的なパートナーシップは1988年に始まり、1994年にセナが悲劇的な死を遂げるまで途切れることなく続きました。彼の死後、セナ財団はこのパートナーシップを2004年まで継続することを選択します。タグ・ホイヤーと、アイコンであったセナ自身と彼の財団との関係は、5つの限定エディションを生み出しました。そして2015年、新しいカレラとフォーミュラ1の “セナ” エディションのリリースが、その火を再び灯します。タグ・ホイヤーの名のもとにセナのスピリットが復活し、コレクションの新作エディションが世界中のモーターレーシングファンにインスピレーションを与えたのです。

マクラーレンに移籍したセナは、タグ・ホイヤーの当時の新作ウォッチライン「S/el(スポーツ＆エレガンス)」のブランドアンバサダーに就任します。そして、レザーストラップの「アナログ/デジタル タグ・ホイヤー S/el」を選び自ら身に着けました。

1993年、あるマクラーレンのメカニックが冗談でセナに、ワールドチャンピオンになったら時計を交換しよう、と持ち掛けます。残念ながらそのシーズンのトロフィーを手にすることはできなかったものの、セナは、メカニックにタグ・ホイヤーS/el S25706Cをプレゼントしたのです。

セナがマクラーレンのマシンと共に、タグ・ホイヤーのロゴが入ったレーシングスーツを着て複数の広告に登場するようになると、1994年、タグ・ホイヤー最初のセナ リミテッドエディションの製造を開始します。

特徴的な “Senna S” ロゴが目を引く「タグ・ホイヤー 6000 セナ リミテッドエディション」は、セナ自身がクリエイティブに関与した唯一のモデルとなりました。個性的なブラックダイヤルの上下に2つのチェッカーフラッグのパターンを配し、モーターレーシングへのオマージュをビジュアルに表現しています。

アイルトン・セナ × タグホイヤーの第2弾が登場したのは5年後の2001年。セナが最後にタイトルを獲得した1991年に因み、1,991本限定のリミテッドエディションとして発表された「タグ・ホイヤー リンク セナ クロノグラフ」にも “Senna S” があしらわれていますが、ダイヤル上にさりげなくエンボス加工されているので、一定の角度からしか見えないようになっています。

2002年、セナ エディション第3弾(Ref. CT2115) が登場。セナが41勝したレース経過時間のトータル分数に因んで、4,098本の限定エディションとなっています。イエローのハイライトと有名な “S” ロゴは、セナを象徴するヘルメットの色を想起させます。

2003年モデル(CT5114) は、旧モデルとはやや趣を異にし、12時位置と6時位置のサブダイヤルに備えられたホワイトの “デイトナ” スタイルのリングが目を引きます。イエローのハイライトはなくなりましたが、3時位置のデイデイト表示の横にはセナの名 SENNA と “S” ロゴが配され、ケースバックにはセナカラーのヘルメットのデザインが初めて登場しました。

4,000本限定のこのモデルには、シリーズ中唯一のクロノメータームーブメントが搭載されていました。

セナの没後10年を記念して2,004本の限定エディションとして発表された2004年のリンク セナは、サブダイヤルの針が鮮やかなグリーンになり、セナのサインが入るなど、これまでのシリーズから大きく変更が加えられました。

その後しばらく、セナとタグ・ホイヤーのパートナーシップは一時中断されます。この間、他のブランドからセナをフィーチャーした時計が発表されたものの、その中にレース界のレジェンドであるセナと共有する歴史をもつブランドはありませんでした。そのため、セナの軌跡をタグ・ホイヤーのようにリアルに想起させることはできなかったのです。幸いなことに、2015年、タグ・ホイヤーはセナ財団とのパートナーシップを再開させ、セナの名を冠した新しいエディションを製作します。

新しいコレクションは、タグ・ホイヤー カレラ キャリバー16の2つのスペシャルエディションーステンレススティール製とチタン製ーから始まりました。これに2種類のタグ・ホイヤー フォーミュラ1 セナ エディションが続きます。いずれもレッドまたはイエローがアクセントカラーとして使われていました。

2016年コレクションの第一弾は、フォーミュラ1定番のクロノムーブメントを採用した43mm ステンレススティール製「セナ・クロノグラフ」。セナ エディションは、ダイヤル、“セナ” アルミニウム製ベゼル、刻印入りケースバックを特徴としたリミテッドエディションでした。

ここで初めて、タグ・ホイヤーの有名な自社製ムーブメント「ホイヤー01」が、セナのデザインコードと組み合わされます。45mmの堂々たるケース、ブラックのサテン仕上げステンレススティールにレッドのタッチを効かせたこの「カレラ ホイヤー01 クロノグラフ」は、スケルトンダイヤル、サファイアケースバックからマニュファクチュールムーブメントの高精度な技巧を鑑賞することができます。

このシリーズの他のエディションは、2種類のフォーミュラ1モデルで、そのうちの1つがタグ・ホイヤーの典型的な “モーターレーシング” モデルであるクロノグラフバージョン。いずれも直径43mmで、ブラックを基調にレッドのタッチを加え、ハイスピードレーシングのスピリットをはっきりと感じさせる組み合わせになっています。ダイヤルには3本の赤いラインが描かれ、疾走するセナのマシンが残した軌跡をイメージしています。このクロノグラフバージョンの特徴は、モーターレーシングウォッチに欠かすことのできないコンマ1秒の精度を誇るクォーツムーブメント。さらに、6時位置にスモールカウンター、9時位置にミニッツカウンター、3時位置にランニングセコンドカウンターを備えています。

2018年、アイルトン・セナにオマージュを捧げた2つの新作が発表されました。アイコニックな「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」を再解釈し、ダイヤル、ベゼル、ケースバックに有名なセナのシンボルと名前を誇らしげに配したモデル、アイルトン・セナのスペシャルエディションを完成させる「スペシャルエディション タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ オートマティック」と「リミテッドエディション タグ・ホイヤー カレラ ホイヤー02 トゥールビヨン クロノグラフ クロノメーター」です。

2019年、タグ・ホイヤーは、アイルトン・セナを称える2つのタイムピースを発表。そこにはセナが好んだウォッチスタイルと彼の母国ブラジルへの熱い想いを彷彿とさせるデザインが盛り込まれていました。この2019年エディションは、上記で紹介したフォーミュラ1と、ホイヤー02 トゥールビヨン カレラの2本のセナウォッチで構成されています。

2020年、スイスを代表するウォッチメーカー、タグ・ホイヤーは、アンバサダーだったアイルトン・セナに贈るオマージュとして、スポーツ界でも際立って重要だった両者のパートナーシップを強調する「タグ・ホイヤー フォーミュラ1 セナ スペシャル エディション 2020」を、自動巻クロノグラフとクォーツクロノグラフの2つのバリエーションで発表します。

レジェンド、アイルトン・セナへのオマージュとなるタグ・ホイヤー フォーミュラ1 クロノグラフ。モーターレーシングに対するタグ・ホイヤーの揺るぎない情熱とコミットメントを称える、タグ・ホイヤー フォーミュラ1 コレクションに加わった新作です。その特徴の1つが、エンボス加工のブラックレザーブレスレット。セナが自分のタグ・ホイヤー ウォッチで愛用していたS/el(セル) シリーズに因んでいます。タグ・ホイヤーが初めて製作したこのアイコニックなブレスレットは、一目でタグ・ホイヤーだと分かるS字型のユニークなデザイン。ブレスレットのレザーには、ダイナミズムを演出するイエローのステッチが施され、ダブルセーフティシステムのプッシュボタンを備えたブラックステンレススティール製バックルも装備しています。

2022年5月、タグ・ホイヤー フォーミュラ1 セナの新作が発表されます。タグ・ホイヤーのアンバサダーだったアイルトン・セナへの尽きぬ想いを込めて、セナのオリジナルレッドのウォッチカラーをアクセントに採用したスペシャルエディションになっています。