ポッドキャスト Podcast、シーズン4、エピソード10:ガブリエル・レオーニ
タグ・ホイヤーのPodcast『The Edge』シーズン4へようこそ。今回のゲストは、俳優であり、ミュージシャンでもあるガブリエル・レオーニ。2023年3月、彼はNetflixの新シリーズ『セナ』で、F1レジェンドのアイルトン・セナ役にキャスティングされました。このエピソードで、ガブリエルは、世界中で今も愛されるモータースポーツのアイコンを演じるにあたっての役作り、挑戦、スリル、ニュアンスについて語ります。彼はまた、自分にとって “セナ” とは何を意味するのか、さらに自身のキャリアを形作った瞬間についても触れています。それでは、ナオミ・シフがホストを務めるタグ・ホイヤーのPodcast『The Edge』をお楽しみ下さい。
Podcast全編をお聞きになるには、Podcastアプリの検索バーに「The Edge TAG Heuer」と入力してください。
このPodcastの目的: 自分の限界を超えるための、毎月必要なインスピレーションの源となること。
それなら、スタートラインに立ち、アドレナリンが湧き出るようなダイジェスト版をご紹介しましょう。そして、Podcastに登録するのをお忘れなく。後でエピソード全体を聴くことができます。「The Edge by TAG Heuer」のシリーズでは、可能性の限界で活躍している非凡な人々とのトークが繰り広げられます。レースに参加することとそのレースで勝利を手にすることとの紙一重の違い、そして、“エッジ” (私たちを勝利に導くもの) とは何なのか、それを超越するには何が必要かを追求していくシリーズです。
演じることへの情熱
私が人前で演じるようになったきっかけは、全くの偶然でした。ハイスクールの1年生の時です。私たちを教えていた教師のひとりが、元俳優で、歴史の先生だったのですが、その人が私たち生徒にブラジルの歴史についての芝居を作って演じるという課題を出したんです。それは、1日限りのプログラムで、保護者や教師の前で発表するといったものでした。
私のクラスは、1980年代に活躍したブラジルの有名な歌手、カズーザを題材にした芝居を作ることにしました。彼は、その素晴らしい才能だけでなく、ブラジル人アーティストとして初めてエイズで亡くなった一人としても知られていました。私が彼の大ファンだったので、彼を演じたいと名乗り出たら、クラスのみんなも賛成してくれたんです。演技は素人そのもので、芝居も一夜限りでしたが、忘れられない経験となりました。それは、私がそれまでに経験したことのない感覚でした。初めて舞台に立ったことが、何とも言えない充実感を味わわせてくれたんです。
その後、学校の演劇部の監督で劇団を主宰している方が私の演技のことを聞きつけ、リハーサルの見学に招待され、その1か月後、劇団に入らないかって誘われたんです。この劇団でのデビュー作は、シェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』でした。
それが僕の俳優人生のスタートでした。それからは、次から次へとプロジェクトが続きました。たくさんの舞台に出て、そして、テレビや映画のオーディションも受けました。それから16年が経ちましたが、今でも自分の好きなことを続けています。
セナを愛する家族からの力強いサポート
両親は常に私のことを応援してくれていましたが、この仕事がどんなに大変で、どれほど厳しい競争を強いられるものなのかについても理解していました。両親は俳優では食べていけない時のために、バックアッププランを立てておくよう勧めてくれたので、劇団で働きながら、大学でグラフィックデザインを勉強していました。でも卒業はできませんでした。初めてテレビ番組で役をもらえたので、卒業を1年後に控えて、大学を中退したからです。私は過去の自分をあれこれ振り返ったりすることはありません。この時の決断も正しいものであったことは明らかです。この道は私のためにあるものですし、それは、卓越するまで成長することができたものでもありました。私は家族が熱烈なセナのファンである家庭環境に育ったので、私が「セナ役を演じる」と電話した時の両親の反応を想像できますか?。それは大変な騒ぎでした!
チャンピオンになりきって
セナを演じる準備は、私がこれまでにしたことのないものでした。最初から、これは私のキャリアの中でも最大の挑戦になるだろうと思っていました。セナは、そのカリスマ性、身体能力、声、エネルギーによって、今も世界中で崇拝されるモータースポーツ界のアイコンです。彼の映像はたくさん残っているので、できるだけ忠実に彼を体現しなければならないという大きな責任を感じました。私が目指したのは、視聴者が私を見てすぐにセナだと認識し、ストーリーに完全に没入できるようにすることでした。
もちろん、私も徹底的なリサーチを行いました。資料を読み、ビデオを見て、彼の家族や親しい友人たちと話し、セナという人の本質を捉えるために、できることは全てやりました。セナの内面を知ろうとすることに特に注意を払い、彼の目に映るものをじっくりと観察しました。
そして、彼の目に映るものや彼の物の見方から、彼の本質、感情、ドライバーとしての彼を支える人間性など、彼自身について多くのことがわかってきたことに気づいたんです。それはとてもパワフルで、人を惹きつける視線でした。あなたがおっしゃるように、役と同一化し、その役に命を吹き込むという挑戦は、常に計り知れないもので、特に、セナのようなアイコニックな人物の場合はなおさらです。
私たちは、彼の仕草、髪型など、あらゆる細部に至るまで、試行錯誤を重ね、休むことなく取り組みました。撮影が始まる数日前、衣装、ヘア&メイクのチーム全員でカメラテストを行いました。ついにセナに変身した自分の姿を目にした瞬間は、何か現実離れした感覚でした。まさにセナが降りてきた瞬間でした。
ブラジル最大の番組制作
セナを演じることで感じたのは、単なる責任ではなく、名誉でした。番組制作自体は画期的なもので、ブラジル史上最大規模となりました。Netflixはこのストーリーを信頼し、ブラジル人スタッフだけで国際レベルの品質のプロジェクトを制作することに投資してくれたんです。
ブラジル人として、この番組制作の一員となり、セナのストーリーに命を吹き込む手伝いができたことに、とてつもなく大きな誇りを感じています。セナのレガシーは、モーターレーシング界だけでなく、ブラジル、そして世界にとってもかけがえのないものです。セナのレガシーは永遠に生き続けます。私にとって、この名誉は言葉では言い表せないものです。プレッシャーはとんでもなかったですが。