ライフスタイル タイムゾーン：山岳部時間のタイムゾーンが唯一無二である理由は？

山岳部時間のタイムゾーン。文字通り地理的なタイムゾーンですが、それだけにとどまらずこのタイムゾーンは、時間を通した旅でもあるのです。雄大な山々、流れ落ちる川、活気に満ちた街。北アメリカの広大な地域にまたがるこの特色ある地区は、時代を超えた美しさと、ここでしか味わえない独特な生活のリズムが入り混じった場所です。

山岳部標準時(Mountain Standard Time: 略称MST) とは、協定世界時(UTC) を7時間遅らせた標準時です。ただし、3月の第二日曜日から11月の第一日曜日までの夏時間の間は、協定世界時(UTC) からの遅れが6時間となり、山岳部夏時間(Mountain Daylight Time: 略称MDT) と呼ばれるようになります。

山岳部時間のタイムゾーンは主に北アメリカの西部に位置しています。アリゾナ、コロラド、アイダホ、モンタナ、ニューメキシコ、ユタ、ワイオミングなど、アメリカの複数の州にまたがり、乾燥した砂漠からそびえ立つ山脈まで、あらゆる地形を含んでいます。アリゾナには夏時間がないため、この州では年間を通して山岳部標準時を使用するということは、覚えておいて損はありません。

北へ目を向けると、山岳部時間のタイムゾーンはカナダの一部にもかかっています。アルバータ、ブリティッシュコロンビア、ノースウエスト準州、ヌナブト準州、そしてサスカチュワン州の一部が含まれます。そして南には、バハ・カリフォルニア・スル、チワワ、ナヤリット、シナロア、ソノラといったメキシコの州がこのタイムゾーンに入っています。

山岳部時間のタイムゾーンの中には、夏時間をもつ場所ともたない場所があります。そのため特に地域をまたいで移動する時には、とても特別な体験ができます。

このタイムゾーンにはまた、アメリカ合衆国で最も暑い場所として記録されているカリフォルニア州のデスヴァレーと、最も寒い場所として記録されているモンタナ州のロジャーズ峠が共存しています。州全体がすっぽり山岳部時間のタイムゾーンに入っているニューメキシコは「魅了の地」と呼ばれ、豊かな文化、芸術、古代のプエブロ族の集落があるチャコ文化国立歴史公園をはじめとした歴史的スポットなどで知られています。

山岳部時間のタイムゾーンが唯一無二である理由は？ このタイムゾーンが抱いている、壮大な景観、文化、体験でしょう。荒々しいロッキー山脈、ニューメキシコ州やアルバータ州の生き生きとした文化、バハ・カリフォルニア・スル州の穏やかなビーチ。山岳部時間のタイムゾーンは、全く異なる特徴が織りなす美しいハーモニーを伴う、類まれな体験のモザイク地帯なのです。世界でも最も特徴的な環境、大自然、文化がタペストリーのように隣り合い、目に見えない時間の糸で縫い合わされているのです。

山岳部時間のタイムゾーン。それは単なる時間測定システムではありません。それは、文化的、歴史的、そして地理的な素晴らしい特徴をもつ地域なのです。近代世界の発展、グローバルコミュニケーションの確立、そして交通機関の発達と絡み合うストーリーをもつ地域。そびえる山脈から広がる砂漠まで異なる景色を包み込む地域。そして、文化とコミュニティが豊かに融合する地域です。見過ごされたり、あまり重要視されないことが多いですが、山岳部のタイムゾーンは、実はとても独特なのです。

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