時計 イースターエッグを探して

サングラスをかけ、スーツケースを持ったエレガントな老婦人をフリーズフレームで撮影。演じる俳優は、ジャクリーン・エヴァンス・デ・ロペス風に装っています。イギリス生まれのメキシコ人レーシングドライバー、ロペスは、1950年から1954年にかけて行われた伝説のレース「カレラ・パナメリカーナ」に5度も参加した唯一の女性として知られています。強い、揺るぎのない意志を持ったロペスは、自費でレース出走の栄光を手に入れています。彼女こそタグ・ホイヤー カレラのパイオニア精神を体現する存在。このイースターエッグは、スピードの女王の異名を取ったロペスへの華やかなオマージュとなっています。

優れたウォッチメーカーの陰には必ずその歩みを支えるパートナーがいます。このムービーのセットのホテルが、ジャック・ホイヤーの妻の名前に因んで「レオナルダ」と付けられたのもそのためです。彼女はまさに、病める時も健やかなる時も常にジャックに寄り添いました。このイースターエッグをさらに特別なものにしているのが、2023年がタグ・ホイヤー カレラの60周年というだけでなく、レオナルダとジャックが結婚60周年を迎える年でもあるという事実。いつもながら、パーフェクトなタイミングですよね。

撮影現場に貼られていた印象的なヴィンテージのポスターに気付かれましたか？ カレラ・パナメリカーナという伝説のレースを宣伝するために作られたものです。1950年にメキシコで初めて開催された走行距離3,000kmを超えるレースで、究極の耐久力が試される場として広く知られるようになります。しかし、あまりにも過激なドラマ性と何度も繰り返されるクラッシュ事故により、1954年に中止に追い込まれます。しかし、その神秘的なムードが消えることはありませんでした。1963年、レースにまつわる数々の逸話に魅了されたジャック・ホイヤーが「カレラ」という名前を、同じく伝説的なウォッチコレクションへと昇華させたからです。