ストーリー フラッシュバック:ホイヤー フィルムマスターの映画仕立てのストーリー

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映画のセットからコレクターズアイテムまで、タグ・ホイヤーのストップウォッチを巡る華麗なストーリーをご紹介します。

「タグ・ホイヤー カレラ」のことはご存知ですよね。「タグ・ホイヤー モナコ」もすぐに分かりますよね。でも、「ホイヤー フィルムマスター」と聞いて、すぐにその時計のことが思い浮かぶでしょうか。実はこのモデルも、ホイヤーというスイスを代表するウォッチメーカーが革新的で型破りなタイムピースを世に送り出すことに情熱を注いでいたことを示す、もう一つの例なのです。映画のセットに欠かせない存在となってから、コレクターズアイテムとなるまで、このストップウォッチが遺してきた足跡は、ホイヤーのブランドとしてのストーリーを語る上で欠かすことができません。そこで今回は「フィルムマスター」の台本をめくりながら、このストップウォッチのストーリーを紐解いていくことにします。それではスタートです。

舞台設定

シーンは60年代の映画製作黄金時代にまで遡ります。映画の撮影現場に足を踏み入れると、目もくらむような照明、そびえ立つ撮影用クレーン、スタジオの天井からぶら下がる優雅な背景、ストップウォッチを持ったカメラアシスタントなどが見えます。このアシスタントの仕事は、撮影時にどれだけのフィルムが使われているかを把握すること。撮影の長さに対して、どれだけの映像が使えるかを知ることは、撮影スタッフにとって必須のことでした。フィルムが足りなければ、別のマガジンでカメラをリロードしなければなりません。そのため、撮影をスケジュール通りに円滑に進めるには、正確で信頼性の高いストップウォッチが必要だったのです。そこに登場したのがホイヤーでした。

スター誕生

「ホイヤー フィルムマスター」は、1963年に華々しくデビューを飾ります。このストップウォッチは、所定の撮影時間に応じてフィルム映像量を計算するものとして開発されました。2つのアウターリングはそれぞれ35mmフィルム用と16mmフィルム用です。センターリングを使って、時間に対するフィルムの映像量を計測することができました。映画業界やテレビ業界が発展するにつれて、ホイヤーのストップウォッチへのアプローチも進化していきます。70年代に入ると、ホイヤーは、35mm用の「スーパー フィルムマスター」と16mm用の「TV フィルムマスター」を発表。こうしたストップウォッチは、映画のセットやテレビスタジオの常備品となります。

マスターの復活

シーンは現在に切り替わります。タグ・ホイヤーのスペシャルムービー『The Chase for Carrera』には「タグ・ホイヤー カレラ」の様々なモデルが登場します。よく見ると、おなじみのスターがカメオ出演しているのにも気づくはずです。「ホイヤー フィルムマスター」は、タグ・ホイヤーのアンバサダーを務めるハリウッドスターのライアン・ゴズリングが登場する映画のセットに現れ、ストップウォッチが昔の映画製作に欠かせなかったことを教えてくれます。まさに、タグ・ホイヤーと映画界の両方にとって極めて重要な役割を果たしたウォッチへのオマージュ。ブランド、映画ファン、そしてウォッチコレクターにとって、決して忘れることのできない役割です。本編はここまで。エンドクレジットが続きます。