ライフスタイル モナコ・サーキットを追体験

5分

タグ・ホイヤー モナコ 2022 ドローン ライト ショー:モナコ・サーキットの周回をイメージしながら、全てのコーナー、全てのシケイン、全てのストレートを体感してください。

タグ・ホイヤー モナコ 2022 ドローン ライト ショー

どのコーナーも絶妙。そしてどのターンにも、地中海のパノラマ、バロック様式の建物が連なる絵画のような風景など、それぞれ異なる時代への入り口が広がっています。モナコを猛スピードで走っていたとしても、サーキットの感触はまた違うはずです。より親密で、より爽快なのです。世界のほとんどのサーキットは、モーターレーシングに合わせて建造されています。でも、この公国では、モナコで暮らす人々とレーシングドライバーとの間に契約のような相互理解が結ばれているのです。地元の人たちは3日間、ドライバーのために道路を明け渡す代わりに、ドライバーたちは地元民にショーをプレゼントしなければならないのです。地元の人に好まれる客のように、運転は激しくても常にクリーンでなければなりません。つまり、レースはしなければならないものの、そこに敬意を払わなければならないのです。磁器の街の暴れ牛のように暴れまわるわけにはいきません。

それがモナコを単なるサーキット以上の存在にしています。

だからこそ、私たちは自分たちのクロノグラフにその名を冠したのです。

だからこそ、モナコは私たちの心の故郷のようなものなのです。

このレースウィークエンドには、「タグ・ホイヤー モナコ」を着用し、自慢し合い、熱く語るファンたちの姿を目にすることができます。非常に多くのタグ・ホイヤーのアンバサダーたちが、ここでも予想以上の盛り上がりを見せています。私たちのブランドとしてのDNAは、このようにしてコースに書き込まれているのです。でも、実際にここを走るとなると、どんな気分なのでしょうか? バイザー越しに、ステアリングホイールを握った位置から、何が見え、何が聞こえ、何が感じられるのでしょうか? そこで私たちは、モナコGP期間中、ドライビングシートに座っているような感覚を皆さんに味わってもらおうと思い付いたのです。モナコ・サーキットを文字通りフライングラップでご案内します。その前にちょっと歴史のお勉強を。

ロマリッチ・アンドレ(Seconde/Seconde/) のコラージュ

モータースポーツ界の至宝

地中海に面した小さな公国の、狭く、バンピーで、曲がりくねった起伏の多い道で第1回モナコGPが開催されたのは、F1選手権が始まった1950年より20年以上も前の1929年のことでした。制約の多いこの街では他に考えられるレイアウト候補がほとんどないため、現在でもほぼ同じ市街地コースでレースが行われています。ヘアピン、狭いコーナー、フラットアウトのトンネルなど、このコースはマシンやドライバーの差をなくしてしまうほどの素晴らしいサーキットでもあります。まさにモータースポーツ界の至宝。あらゆるレーシングドライバー、すべてのレーシングファンにこよなく愛される所以です。

モナコ・サーキットのフライングラップ

さぁ、想像してみてください。あなたはF1マシンのシートに座り、シートベルトを締めています。(どの時代のどのモデルでも構いません。) あなたの手はステアリングホイールを握っています。ヘルメットをかぶり、視線は前方の短いストレートに焦点が合います。コースの両脇には、バリア、ベルエポック調の建物、生い茂ったイチイやモミジバフウの木々を背景に、観客が集まっているのが見えます。太陽が緑の木々の先端を黄色く照らし、まるでコースを照らすかがり火のようです。

 

ライトが消えると、アクセルを踏み込み、スタート地点を飛び出します。トンネルビジョンへと視界が切り替わります。アルベール1世大通りを駆け上がると、コース脇が霞んでいき、バリアの先にあるチャペルの名前がついたタイトなコーナー、サン・デボーテに差し掛かります。モナコの王子が結婚するとき、花嫁はこのチャペルにブーケを置くために寄り道をするという歴史があります。話をレースに戻しましょう。右カーブで2速に切り替え。このコーナーは1周目によく事故が起こっていましたが、コーナーのエイペックスにあったミニ・ラウンドアバウトが撤去されたため、コーナー幅が広くなり、レース中の事故が少なくなっています。その後、オスタンド通りを上り、ボー・リバージュと呼ばれるコーナーを過ぎると、マスネで長い左カーブに入るのでシフトダウン。このコーナーでは、その名の由来となっているフランス人オペラ作曲家の作品に合わせたステアリングさばきが求められます。長い左コーナーを見下ろすモンテカルロ歌劇場の前にはマスネの胸像が建っています。

ロマリッチ・アンドレ(Seconde/Seconde/) のコラージュ

マシンがマスネを抜けると、賭け金が高くなるといったわけで、カジノ・スクエアを猛スピードで走り抜けます。その名は、ステンドグラスと大理石とゴールドのアトリウムで有名なカジノ・ド・モンテカルロを擁するこの一角の名に由来します。ギャンブル地区の高台から、次のショートストレートのボザール通りの下り坂をコース左の巨大な段差を避け、蛇行しながら進みます。このユニークなサーキットでは一瞬たりとも気が抜けないことを思い知らせてくれます。タイトなコーナー、ミラボーまで走り続け、スライドしながらターンし、短い下り坂でスピードを上げると、さらにきついコーナーのフェアモント・ヘアピンがあります。その名の由来となっているホテル、フェアモント・モンテカルロに立ち寄って、バルコニーから息を呑むような絶景に浸りたいところですが、残念ながらさらに周回を続けなければなりません。集中、集中。

 

難関のヘアピンを曲がってさらに下り、ポルティエと呼ばれるダブルの右コーナーを回ります。ここからは有名なトンネルに入ります。日差しが一瞬遮られ、ペダルを踏み込むと、エンジン音がトンネルの壁に反響します。まだ耳鳴りがしていないなら、これからしてくるはずですよ。

ロマリッチ・アンドレ(Seconde/Seconde/) のコラージュ

トンネルを抜けると、再び明るくなります。そこからは太陽の光だけでなく、ヨットやボートに埋め尽くされたライトブルーに光る海も見え、豪華なデッキにはあなたを見つめる人々であふれています。さぁ、集中していきましょう。左・右・左と続くタイトなヌーベル・シケインでは、ハードなブレーキングが求められます。このシケインは、モナコ・サーキットで唯一オーバーテイクが可能なポイントと一般に言われています。でも、今回のイメージラップでは、とにかくあなたがトップに立っています。ただし、この先にはタバコと名付けられたコーナーへのショートストレートになっているので、調子に乗らないようにしましょう。ほら、左手には立派なヨットも見えますよ。左・右の高速シケインと右・左の低速シケインで構成されるプールサイド・シケインを走り抜けますが、その名の由来は、“レーニエ3世海洋スタジアム” と呼ばれる公営プールの脇にあることによります。因みにこのプールを含む複合施設は現在改装中です。

 

その後ショートストレートを経て、すぐに左に曲がり、ラスカスと呼ばれるタイトな右コーナーが続きます。「ラスカス」とは、地中海に生息するフサカサゴの一種。モナコには「ラ・ラスカス」と呼ばれる古い漁師酒場があり、それがこのコーナーの名前の由来になったという都市伝説があります。今は、このコーナーのところに同じ名前の新しいバーができています。周回後、そこで一杯やるのもいいかもしれませんね。ゴールはすぐそこです。ラスカスを抜けると、またショートストレートになり、最終コーナー、アントニー・ノーズへと続きます。この名は第1回モナコGPを開催したアントニー・ノゲの名を英語読みしたものです。右カーブのきついコーナーを抜けると、ステアリングを握る手も緩みます。ギアを入れ替え、スタート/フィニッシュのストレートに戻ってきました。

 

これで、モナコの周回をイメージしたフライングラップ完走です。言葉ではなかなか説明できないサーキットをイメージしながら周回するという体験もなかなかのものだったのではないでしょうか。