時計 タグ・ホイヤーのグラスボックス カレラ クロノグラフ 第8弾登場

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ジェフ・スタイン ウォッチコレクター/OnTheDash.com 創設者

2015年のことになるが、タグ・ホイヤーが「グラスボックス」ケースになったカレラ クロノグラフを発表するという話を初めて耳にしたとき、一体何のことだろうと思ったのを今も覚えている。 時計の世界で「グラスボックス」とは果たして何を意味するのか? その答えは、タグ・ホイヤーがカレラの39mmケース用に開発したドーム型という新しいスタイルのサファイアクリスタルだった。しかもその形状は、1960年代にカレラ クロノグラフで使用されていたオリジナルのプラスチックガラスの外観を模したものだという。 つまり、サファイアが 「グラス」で、ドーム型が 「ボックス 」というわけだ。

これまで6年にわたりタグ・ホイヤーは、全てが限定モデルのグラスボックスのケースを採用した7つのカレラを発表してきた。 今回、第8弾となるグラスボックス クロノグラフが登場したことは、こうした全てのモデルを見直し、それらがどのようにして生まれたのか、そして今のコレクターたちにとってなぜこうした時計が魅力的なのかを探る良い機会になった。 このクイックツアーで、これまでのヴィンテージモデルを時系列に追いながら、タグ・ホイヤーがその伝説的なクロノグラフのスタイルをこうしたカレラの中にどのように取り入れたかを見ていくことにしよう。

今日の愛好家たちは、39mmのグラスボックス ケースが、1960年代から70年代にかけてタグ・ホイヤーが発表したホイヤーのクラシックなクロノグラフを蘇らせるための最適な受け皿になっていることを称賛している。 このケースは、初代カレラのピュアなミニマリズムから、1970年代を席巻したワイルドなスタイルやカラーまでの多彩なモデルに完璧にフィットしている。 グラスボックス カレラが、今のデザイナーたちに新しいモデルの夢を与え、そこから生まれるものは、ホイヤーの伝統の本質を捉えたものもあれば、今の時代のスタイルを反映させたものもあり、実に多彩だ。

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1963年 – カレラ誕生

ホイヤーが、レーシング用の全く新しいスタイルのクロノグラフとしてカレラを発表したのは1963年のことだ。 この時計をデザインする際に最優先されたのが、レーシング状況での操作に適していること、ドライバーやナビゲーターが表示を読み取りやすいこと、レースでの使用に耐える頑丈さを備えていることだった。 ジャック・ホイヤーのミニマリストなアプローチによって、不必要な要素が全て排除されたピュアなデザインが生まれた。 2020年には、ブランド創業160周年を記念して、オリジナルモデルのスタイルを継承し、シルバー/ホワイトのスターバースト ダイヤルを採用したタグ・ホイヤー カレラ 160周年シルバー リミテッドエディション(CBK221B) が発表されている。

このモデルは ― ドラマチックなスターバースト仕上げを施した初代カレラのピュアなデザインがお好きな方に。

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1968年 – 日付表示のあるカレラ

1966年、ホイヤーはカレラに日付表示を追加し、1968年には1960年代のドラマチックなスタイルを取り入れた、カレラ 45 Datoのアップデートバージョンを発表する。 ブラックダイヤル上では、右側にホワイトのクロノグラフレジスター、左側に日付表示を配し、ミニマリストなデザインとするため、ランニングセコンドレジスターを省略している。 そして2021年2月。Hodinkeeがタグ・ホイヤーとコラボレートし、ブラックダイヤルにブラックのインナーベゼルを組み合わせたこのモデルの復刻版(CBK221D) を発表した。

このモデルは、1960年代のカレラの中でも際立って存在感があり、最もドラチックなバージョンを手にしたい方に最適。

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1968年 – アメリカズカップでの勝利を祝って

1967年、アメリカズカップの防衛に成功したイントレピッドチームに計器を提供したホイヤーは、1968年に新作モデル「スキッパー」を制作してその勝利を祝った。 カレラのケースに収められたこのファーストモデルを、コレクターたちは「スキッパレラ」と呼び、ホイヤーのヴィンテージ クロノグラフの中でも最も希少で、最も価値の高いモデルの一つとなっている。 2017年、Hodinkeeがタグ・ホイヤーとタッグを組み、この初代スキッパーへのトリビュートモデル(CAR221B) を制作。オリジナルの「スキッパレラ」のカラーをそのまま踏襲し、カレラ 45 Datoの日付表示と非対称のミニッツレコーダーを取り入れている。

このモデルは、1960年代のカウンターカルチャーやスタイル革命を思わせるカラーとスタイルが好みの方に。

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1968 – 1960年代を象徴するカラー

2017年に発表されたのが、タグ・ホイヤーとThe Rake & Revolutionのコラボレーションモデル「“ブルー ドリーマー” カレラ」(CAR221C) だ。 この時計は、1960年代のカレラの中で唯一オリジナルモデルがないものだが、この時代のスタイルとエネルギーが見事に捉えられている。 Hodinkeeとのスキッパーの復刻版では、ミニッツレコーダーをダークグリーン、ライトグリーン/ブルー、ブライトオレンジで彩ったが、The Rake & Revolutionのバージョンでは、ディープブルー、ライトブルー、青みがかったオフホワイトを採用し、 日付表示の代わりにランニングセコンドレジスターを搭載している。

このモデルは、ビーチでの使用やブルーのスエードシューズに合わせる時計をお探しの方に。

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1968年 – 3つのレジスターとタキメータースケールを備えたレーシング用カレラ

レーサーは、計測した距離(マイルやキロ) の走行時間を1時間あたりの単位(MPHやKPH) に変換するためにタキメータースケールを使用する。このため、このスケールがレーシングウォッチのシンボルとなっている。 タキメーター付きカレラの最もレアなバージョンは、1968年に発表されたもので、ブラックダイヤルに配されたブラックの3つのレジスター(12時間まで計時可) と、ブライトホワイトでプリントされたタキメータースケールが特徴だ。 2019年にフラグメントデザインとタグ・ホイヤーとのコラボレーションで復刻されたモデル(CBK221A) では、ダイヤル上部にフラグメントのサンダーボルト、4時位置と5時位置の間にフラグメントの名前がプリントされている。

このモデルは ― レーシング仕様の3レジスターカレラ(または、ストリートウェアとコーディネートできる時計) が欲しいと思っている方に。

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1970年 – パンダの誕生

誕生から6年の間、カレラ 45 Datoを除き、カレラのレジスターは常にダイヤルと同色だった。ホワイトダイヤルにはホワイトのレジスター、ブラックダイヤルにはブラックのレジスターといった具合に。 これが一新されたのが1970年。ホイヤーはカレラにコントラストカラーのレジスター(ブラックダイヤルならホワイト、ホワイトダイヤルならブラック) を採用したのだ。 2015年夏に登場した初のカレラ グラスボックス クロノグラフ(CAR221A) では、ホワイトダイヤルにアンスラサイト(ダークグレー) のレジスターを配した、2レジスターの「パンダ」のようなデザインが話題になった。 テレメータースケールは砲兵隊が使用していたもので、ホイヤーの軍用時計の伝統を想起させる。

このモデルは ― 大ヒット映画『フォードvsフェラーリ』でキャロル・シェルビーを演じたマット・デイモンに憧れる方に。

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1972年 – 未来に思いを馳せる「モントリオール」

ホイヤーのクロノグラフの多くはレース会場の名前を冠しているが、ヴィンテージの「モントリオール」(1972年発表)は、1967年の万国博覧会(通称「Expo 67」) が開催された都市の精神を捉えた時計で、人類の夢や未来への希望をテーマにしている。 重厚な近未来的ケース、ダイヤルの5色の鮮やかなカラー、真っ赤な針、レジスターのレーシングストライプなど、ホイヤー モントリオール クロノグラフには確かにExpo 67の精神が反映されていた。 タグ・ホイヤー カレラ 160周年 モントリオール リミテッドエディションは、カレラのケースに1970年代のモントリオールのスタイルを取り入れ、ブライトホワイトのダイヤルに、ディープブルーのレジスターとリング、イエローのレーシングストライプとアクセントを組み合わせている。

このモデルは ― 1970年代のワイルドなスタイルとカラーの時計を、トラッドなシャツの袖口からさりげなくのぞかせたいと思っている方に。

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2021年 – 永遠のカラー、ティール

そして今回発表されたのが、第8弾となるタグ・ホイヤー カレラ グリーン スペシャルエディション(CBK221F) だ。このクロノグラフシリーズは、ブランドの伝統を物語るポートフォリオというだけでなく、39mmケースも今の最も鮮やかなカラーを効果的に引き立てられることを証明している。 モータースポーツの黄金時代にレースを象徴するカラーリングとして使用されたグリーンをモチーフにしたティールのダイヤルが、タグ・ホイヤーのポートフォリオに新たなカラーをプラスしている。

このモデルは ― 虹色全色を網羅したウォッチボックスでありながらも、グリーンとブルーの間のドラマチックなカラーが欲しい方に。

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ジェフ・スタイン ウォッチコレクター/OnTheDash.com 創設者