時計 TAG Heuer × Porsche 時のパートナー

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ロバート・ジョンストン ジャーナリスト、元『GQ』スタイルディレクター

2021年春の発表を控えた「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ ポルシェスペシャルエディション」。伝統、印象的なデザイン、技術革新が融合したエレガントなタイムピースです。

「マリアージュ」とは、時にシンプルに運命である。新作「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ ポルシェスペシャルエディション」は、完全な秘密裡のうちに開発が進められたが、ヴェールを脱いだ今、世界はおそらく、待ちわびていたものが登場したような反応を取るだろう。
これは、この有名ブランド2社が何十年にも渡り共に仕事をしてきたにも関わらず、この時計が両ブランドにとっての初のコラボレーションであるのだからなおさらである。なぜ彼らがこれまで一度も時計を一緒に創らなかったのかと疑問に思うほどだ。タグ・ホイヤーのカレラ クロノグラフもポルシェのカレラも、その名は1950年代の過酷なメキシコのロードレース「カレラ・パナメリカーナ」に由来する。

 

 

 

 

しかしこれまでのこの時計ブランドと自動車ブランドの関係は、何か正式なものというよりも、偶然の出来事や互いへの憧れがベースになっていたと言える。例えば、スイスの伝説的なレーサーであり、ポルシェのドライバーおよびディーラーであったジョー・シフェールがレーススーツにホイヤーのロゴを縫い付けていたことや、1971年の映画『栄光のル・マン』でポルシェ917を駆るスティーブ・マックイーンも同様のレーススーツ姿だったことからも伺える。このハリウッドスターは映画の中でスクエア型のホイヤー モナコ クロノグラフも着用していた。

 

 

 

 

今、タグ・ホイヤーのCEO フレデリック・アルノーは、この関係を公式なものにするのに適した時期に来ていると語る。「私たちには共通の歴史があり、価値観を共有していることはもちろんですが、それ以上に、私たちは自らの在り方も同じくしているのです。今回の発表により、タグ・ホイヤーとポルシェが何十年にも渡って築き上げてきた関係が公式なコラボレーションとなりました」。

重要なのは、両ブランドがこれを単なる一回限りのコラボレーションではないと思い定めている点だ。新作ウォッチは、今後数年間に渡り時計と自動車の分野で展開される両者の関係の第一歩に過ぎない。タグ・ホイヤーが結んでいる、ポルシェGTチーム世界耐久選手権、ポルシェ カレラカップ、ポルシェ eスポーツ スーパーカップ、ビンテージカーのポルシェ クラシックレースとの公式パートナーシップも、今後続いていくものである。

 

 

 

 

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「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ ポルシェスペシャルエディション」は、どんなパフォーマンスカーにも引けを取らない洗練された魅力を湛えている。44mmケースはポリッシュ仕上げのステンレススチール製、タキメーターを配した固定式ベゼルはブラックセラミック製で、1時位置にポルシェ ロゴがレッドで刻印されている。ロゴのフォントは、世界屈指のレーストラックの表面を彷彿とさせるアスファルトグレーのダイヤルに配置されたホワイトの60秒インデックスと同じものだ。3時位置のスティール製リューズもまた、レッドのバンドでロゴを引き立てる。

 

 

 

 

ブラックゴールドプレートにホワイトのスーパールミノバ®が塗布されたインデックス。針の先端に特徴的なレッドをあしらったクロノグラフ分計と時間計が目を引く3時位置と9時位置のカウンター。

スタイリングの秀逸さは言うまでもないが、この時計の性能を司っているのは、ポルシェ同様「ボンネットの下」の動力だ。ムーブメントは、約80時間のパワーリザーブと絶対的精度に対する揺るぎない追及を体現した自社製ムーブメント「キャリバー ホイヤー02」。

 

 

 

 

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ストラップは、ポルシェのインテリアをイメージしたブラックのカーフレザー製ストラップ、そしてクラシックなH型ステンレススティール製ブレスレットのラインアップ。最後に忘れてならないのが、この貴重なスペシャルエディションを収納するにふさわしい特別なパッケージだ。ブラックの時計ボックスにはタグ・ホイヤーとポルシェのロゴがあしらわれ、ボックスの内側にはポルシェの赤を基調としたインテリアが施された完璧なサイズのブラックのトラベルポーチが入っている。
両ブランドはさらに、グリーン上ではポルシェ ヨーロピアンオープンとポルシェ ゴルフカップ ワールドファイナル、コート上ではポルシェ テニス グランプリでもタッグを組む。そして、もちろん、近い将来、また新たなコラボレーションアイテムが登場するともほぼ間違いないだろう。いつになるかはわからないが。

この場合、逆説的な言い方になるが、速さは問題ではないのである。

 

レザーストラップ モデルの詳細H型ステンレススティール製ブレスレットモデルの詳細

 

 

 

 

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ロバート・ジョンストン ジャーナリスト、元『GQ』スタイルディレクター