時計 タグ・ホイヤーとポルシェの カレラがひとつに

ポルシェの耐久レースマシン「ポルシェ963」と目的に合わせてデザインを一新させたタグ・ホイヤーの最新作との間にどのような共通点があるのでしょうか。実はたくさんの共通点があり、両者のつながりは、タグ・ホイヤーとポルシェという2つのアイコニックなブランドが共有する長い歴史を物語っています。

TAG Heuer Carrera Chronograph x Porsche 963 (CBU2010.FT6267)

耐久レースは、モータースポーツで人間とマシンに課される最も過酷な試練であり、チームはライバルだけでなく、容赦ない自然環境との闘いも強いられます。20世紀半ば、アメリカのテキサス州との国境から延々グアテマラまで中米を縦断した悪名高きラリー「カレラ・パナメリカーナ」は、他の追随を許さない耐久レースでした。そして、このレースの伝説こそが、ポルシェとタグ・ホイヤーにインスピレーションを与えたのです。

TAG Heuer Carrera Chronograph x Porsche 963 (CBU2010.FT6267)

ポルシェは、スペイン語でレースを意味する 「カレラ」 を冠したこのレースの成功を記念して、自社の最もパワフルなエンジンに「カレラ」という名を選びます。時を同じくして、ジャック・ホイヤーも、1963年に伝説的なクロノグラフをデザインするようインスパイアされ、モーターレーシングのルーツを反映させた「カレラ」の名をこのクロノグラフに与えます。

「カレラ」の名をその歴史に深く刻んだポルシェとタグ・ホイヤーの両ブランドが、手を取り合って限界に挑んだ次の舞台が、コンクリートサーキットで繰り広げられる世界で最も有名な耐久レース 「ル・マン」でした。これまでのこのレースでは、メーカーとしてのポルシェが、他のどの自動車メーカーよりも多くの総合優勝 (合計19回) を成し遂げ、頂点に君臨しています。一方タグ・ホイヤーは、モータースポーツ界に参入した当初から、レーサーやレースエンジニアがコースサイドで使用するツールとして不可欠であったのと同様に、サーキットでの計時にも欠かすことのできない存在でした。勝敗が秒単位の差で決まるようになると、タグ・ホイヤーは1000分の1秒で勝負を判断したい人がチョイスするものとなっていきます。

2021年、両ブランドはついに正式なコラボレーションを開始し、この数十年にわたるレガシーをこれまで以上に密接に結びつけるウォッチが、タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ × ポルシェ 963として誕生します。真のモーターレーシングファンなら間違いなく、このタイムピースとその目的にかなったデザインが、この深く根を張った共通の情熱から生まれたものだとお分かり頂けるはずです。

魂のこもったレース

コラボは、ポルシェのレーシングカーの多くに見られる、NACAスタイルのエアダクトのような形をしたラバーストラップをしなやかに組み込むことから始まりました。ラグ間にポルシェのモデル名963が刻まれており。この大胆なケースの側面に沿って、プッシャーとリューズがブラックで際立ち、サンドブラスト仕上げのPVDを背景にエンボス加工された専用のくぼみにポルシェの名が記されています。

スケルトンダイヤルは、モーターレーシングという目的のためだけに作られたマシンに見られるロールケージや構造的な支柱をイメージしたチューブ状の部品で支えられています。つまり、6時位置のスモールセコンド、9時位置と3時位置にそれぞれ配された時・分の積算計という、ダッシュボードに着想を得たブラックラッカー仕上げでトリコンパックス配置の3つの計器が支えられているのです。

しかし、タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ × ポルシェ 963のアイコニックな要素全てを見るには、照明を落とす必要があります。すると、鍛造カーボン製ベゼルのタキメータースケールにはスーパールミノバ® で書かれたポルシェの名が、そして6時位置の日付表示には日付が浮かび上がります。また、時・分のサブダイヤルに配された8つの大きめのインデックス (2、4、8、10) は、ポルシェのもうひとつのアイコンである現役911とそのヘッドライトを瞬時に想起させます。このウォッチを裏返すと、約80時間のパワーリザーブを実現した自動巻キャリバーTH20-00を見ることができます。ブラックのステアリングホイール型のローターは、両ブランドのコラボレーションであることを赤で主張しています。ここでは、さらに2つの要素が際立っていますが、それが、上部の赤いコラムホイールと、963本の限定エディションであるこの颯爽としたタグ・ホイヤー ウォッチのシリアルナンバーです。