時計 アイルトン・セナが愛したアイコニックなタグ・ホイヤー ウォッチ
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アイルトン・セナとタグ・ホイヤーとのパートナーシップが公式に始まったのは1988年のことですが、そのつながりはそのずっと前からしっかりと根付いていました。完璧さをひたむきに追い求めるセナは、スピードと精度を追求し続ける時計製造のパイオニアであるスイスのウォッチブランドに当然のごとくふさわしい人物でした。セナが初めてタグ・ホイヤーの時計を着用したのは、公式な関係発表よりも前のことでした。セナの腕にタグ・ホイヤー ウォッチが初めて輝いたこの瞬間こそが、ブランドとこの不世出のレーサーとの永続的なパートナーシップの始まりを告げるものとなったのです。
NorioKoike©ASE2024
2000シリーズ クロノブラフ 自動巻(1989年)
マクラーレンへの移籍から1年後の1989年、セナは、タグ ホイヤー 2000シリーズ クロノブラフ 自動巻(Ref. 165.806)を着用し始めます。ステンレススティールとゴールドプレートの37mmケースを備え、キャリバーETA 2892を搭載した この時計は、サーキットを駆け抜けるセナに寄り添っただけでなく、レーシングキャリアで圧倒的な強さを誇示し続ける中、時間の流れと見事に調和していたセナを象徴するものでもありました。シリーズ2000には、エレガントなデザインとしなやかな機能性を融合させるというタグ・ホイヤーの理念が体現されていました。
タグ・ホイヤー フォーミュラ1 クロノグラフ 472.513
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S/el クロノグラフ(1989年–1993年)
1989年のF1シーズン中盤からセナは、S/el(セル) クロノグラフ(シャンパンカラーの Ref. S25.706C/CG1123 とアントラサイトの Ref. S25.206/CG1122) を愛用するようになります。ステンレススティールとゴールドプレート仕上げを組み合わせ、多機能クォーツムーブメントを搭載したこの汎用性の高い時計が、サーキットの内外で、セナが高い信頼を置く彼にとってのかけがえのないパートナーとなりました。このモデルは、セナの全盛期を象徴する時計のひとつであり、このドライバーとタグ・ホイヤーの強い絆を象徴するものでした。セナがS/elの2つのバージョンを交互に着用して楽しんでいるのを目にすることも珍しくありませんでした。
この時計は、マクラーレンチームの間で語り継がれる逸話の一部にもなっています。当時マクラーレンのリードメカニックだったロン・ペラットはセナに、彼が1993年のF1チャンピオンになったら時計を交換しようと冗談まじりに持ちかけます。惜しくもセナはタイトルを逃しますが、同年のモナコGPで優勝した時も、伝説のウェットレースとなったイギリスのドニントンパークでのヨーロッパGPを制した時にもその手首にはS/elがありました。シーズン終了後、マクラーレンのスタッフの前で、セナは特注のブラウンレザーストラップに付け替えたS/elをペラットに渡し、約束を果たしたのです。
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タグ・ホイヤー フォーミュラ1 クロノグラフ(鈴鹿)
タグ・ホイヤーを着用したセナの最も輝かしい舞台のひとつが、1991年の鈴鹿サーキット。この日本GPでの勝利で、彼は3度目のワールドチャンピオンに輝きます。この日のレースで彼が着用していたのは、クォーツのベースムーブメントに機械式クロノグラフモジュールを組み合わせた、タグ・ホイヤー フォーミュラ1 クロノグラフ(Ref. 472.513) でした。赤のアクセントを効かせた37mm径のこの時計は、セナが鈴鹿を魅了した華麗なドライビング同様に注目を集めました。この運命の日は、セナが勝利を収めたというだけでなく、モーターレーシング界に耐久性と精度の高い時計を送り出してきたタグ・ホイヤーの卓越した技術が示された瞬間でもありました。
タグ・ホイヤー シリーズ6000:チャンピオンにふさわしい高貴な時計
1992年にタグ・ホイヤーがラグジュアリー感漂う シリーズ6000 コレクションを発表すると、当然のようにセナもこれを愛用するようになります。レザーストラップとホワイトダイヤルを組み合わせたツートーンのバージョン(Ref. WH5151) を着用している姿がよく見かけられ、セナは、最後となったシーズンまでタグ・ホイヤーの象徴であり続けました。ステンレススティールとゴールドプレートを組み合わせた38mmケースに、信頼性の高いキャリバーETA 2892を搭載した「シリーズ6000」は、セナのキャリア同様、タグ・ホイヤーの高性能へのこだわりを体現し、セナとタグ・ホイヤーのストーリーにふさわしい最終章を紡ぎました。
タグ・ホイヤー 6000 シリーズ
時を超えて受け継がれるレガシー
セナとタグ・ホイヤーとの関係は、1994年の彼の悲劇的な事故死で終わったわけではありません。セナに捧げるトリビュートウォッチとして発表されたタグ・ホイヤー セナ スペシャルエディション が、2つのアイコンが結んだ絆を今に伝えます。さらに、パフォーマンスを極めた限定エディションとして、タグ・ホイヤーの優れた技術的ノウハウとモータースポーツへの熱い思いを体現した最新作、タグ・ホイヤー カレラ トゥールビヨン クロノグラフ × セナも登場しています。セナがモータースポーツ史に残した比類なき足跡へのオマージュであるこうしたスペシャルエディションが、彼のイノベーションへのスピリットと偉大であることへのこだわりを讃えます。タグ・ホイヤーがセナのレガシーを後世に伝えるよう尽力することで、未来のモーターレーシングファンたちが、モータースポーツと時計製造の両方に彼が及ぼした多大な影響を記憶に留めておいてくれると信じています。