時計 2024-04-WEEK2 タグ・ホイヤー カレラ スキッパー:時間を航海する

3分

数十年にわたり、レーシングカーや航空にインスパイアされたアイコニックなタイムピースを発表してきたタグ・ホイヤー。そのDNAには、スピードの計測が組み込まれています。新作のタグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ スキッパーが物語るのは、海とセーリングに寄せるブランドの愛のストーリー。

タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ スキッパー、Ref. CBS2241.FN8023

このタイムピースには語るべき歴史があります。1967年、ニューヨーク・ヨットクラブは、過酷な闘いが繰り広げられる世界最高峰のヨットレース「アメリカズカップ」でオーストラリア艇を迎え撃つため、全長12mのイントレピッド号の準備を進めていました。当時、傑出したストップウォッチやタイドインジケーターまでをも製造することができる優れたノウハウを持つ会社を経営していたジャック・ホイヤーは、イントレピッド号のチームに計時機器のフルセット、特にレース開始を告げる重要なカウントダウン機能を備えた腕時計を提供することを決めます。イントレピッド号はこのレースを圧勝。ホイヤーは勝利を祝って特別なセレブレーションウォッチを制作することを企画します。それが、手巻モデルの「カレラ クロノグラフ スキッパー」。わずか20本の限定エディションでした。

TAG Heuer Carrera Chronograph Skipper, Reference CBS2241.FN8023

しかし、「スキッパー」は実は、後世の人々のために作られたものだったのです。36mmのカレラ ケースに収まったシーブルーのダイヤル上では、鮮やかなレッドのクロノグラフ針が進んでいくのがはっきりと見えます。スモールセコンドダイヤルは、イントレピッド号のデッキカラーと同じ大胆なティール。その対面の3時位置には、グリーン、ティール、レッドの3色に分けられた15分カウントダウンサブダイヤルが配されています。この斬新で人目を引く色の組み合わせは、レッドは左舷、グリーンは右舷、ティールは船尾を表すというレガッタ旗のコードを想起させるとともに、60年代後半の気ままで、カウンターカルチャー的なスピリットを表現しています。構想は実現し、真のアイコンとなったのです。

そして今回、海に沈む夕日を彷彿とさせるより大胆な39mmサイズのローズゴールド製ケースでタグ・ホイヤー カレラ スキッパーが再び登場し、コレクターやファンを歓喜させています。これは、慎重にオリジナルを今の時代に合ったものへと生まれ変わらせたモデル。例えば、スモールセコンドは6時位置に移され、日付表示窓の上で目立ち過ぎることなく時を刻みます。また、9時位置にあったティールカラーのサブダイヤルも、この時計の名前である「SKIPPER」が入った12時間計となっています。カウントダウンサブダイヤルの3つの部分には、ラグーングリーン、ティール、レガッタオレンジという、より鮮明な色が使われています。視認性が最優先され、三角形のマーカー下のドットと時分針の先端は赤くなっています。

TAG Heuer Carrera Chronograph Skipper (CBS2241.FN8023)

スキッパーをツールウォッチとして機能させ続けるため、今回、印象的なダイヤルがより見やすくなるよう、アーキテクチャ全体が見直されました。最も顕著な変更は、シグネチャーであるサファイアクリスタルの「グラスボックス」が採用された点。時計の見た目がよりすっきりしただけでなく、100m防水も実現しています。また、フランジとインデックスを若干上方に湾曲させることで、視覚的な奥行き感もアップさせています。

スキッパーを駆動するのは、振動数28,800振動/時の自社製自動巻キャリバーTH20-06。週末に本格的なセーリングを楽しむのに十分な約80時間のパワーリザーブを備えています。さぁ、スキッパーを腕に、錨を上げ、大海原に乗り出しましょう!