ポッドキャスト ポッドキャスト、シーズン2、エピソード11:スカイ・ブラウンが英国代表の最年少オリンピックメダリストになった瞬間
7分
時間が止まってしまう瞬間があります。それは、自分の中に何か偉大なものが現れ出てくる瞬間。そして時の試練に耐える瞬間でもあります。The Edgeが贈る、非凡な人々が、自らの全てを変えてしまったある瞬間にまつわるストーリーを物語るトークシリーズ。世界記録、ワールドチャンピオン、啓示、人生を変える決断。そうした瞬間を回想し、どうやってプレッシャー、恐怖、痛みを克服し、自分を限界に、エッジにまで追い込んでいったのかを語ってくれます。エッジに挑む。
今回のゲストは、スケートボーダー、サーファー、そしてオリンピックメダリストである、スカイ・ブラウン。僅か14歳のスカイがこれまでに達成した成績は、既に驚くべきものです。2020年夏季オリンピックのパーク競技でスカイは銅メダルを獲得。英国代表史上、最年少のメダリストとなりました。また、「X Games(エックスゲームズ) 」でも金メダルを獲得しています。しかも2年連続で。しかし、彼女の才能はそれだけにとどまりません。サーファーとしても並外れた技量を示し、英国オリンピックチームへの代表入りも検討されています。
過去2年の間、スカイはスケートボードで、様々な高みへと到達してきました。2021年、BBCヤングスポーツ パーソナリティ オブ ザ イヤー賞を受賞。そして2022年には、ローレウス世界スポーツ賞の年間最優秀復帰選手賞を受賞しました。このエピソードではスカイが、スケートボードへの愛、オリンピックで勝利を手にした瞬間、そして、来たる未来の挑戦のために整えている準備について語ってくれます。ホストを務めるテオ・ヴァン・デン・ブロークとともに、この天才少女が世間の予想をどのように裏切っていくのか、ご覧ください。
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ポッドキャストの目的、それは、あなたがご自分の限界を超えるのに役立てて頂けるよう、毎月あなたが必要とするインスピレーションの源になること。
Attention: Only have a minute?
それなら、スタートラインに立ち、アドレナリンが湧き出るような気分が味わえるダイジェスト版をご紹介しましょう。そして、ポッドキャストに登録するのをお忘れなく。後でエピソード全体を聴くことができます。「The Edge by TAG Heuer」のシリーズでは、可能性の限界で活躍している非凡な人々とのトークを繰り広げます。レースに参加することとそのレースで勝利を手にすることとの紙一重の違い、そして、“エッジ” (私たちを勝利に導くもの) とは何なのか、それを超越するには何が必要かを追求していくシリーズです。
スケートボードの素晴らしさ
ボードに乗るとき、すごくクールな感覚を覚えるんです。ボードに乗ったら、なんでもできる気がする。ルールなんてない。限界もない。ただ滑る。スピードをあげて、ジャンプ。それだけです。どこでもできる、とても楽しい事なんです。そしてもちろん、素晴らしいこと。
スケートボードに年齢制限があるのかどうか
高いジャンプをするには、十分なコミットメントが必要です。何が起こるかわからないから。着地するとき、本当に何が起こるか予想できないんです。だから、十分なコミットメントと、勇気が必用。若くして始めることが重要だとは思いません。スタートが遅かったスケーターでも素晴らしい人はたくさんいます。若くないスケーターだって、今はたくさんいます。重要なのは、勇気、自信、そして費やす時間です。簡単ではありません。素早く身に着けることなんてできないですから。赤ちゃんのようにステップごとに、ゆっくりと進めなければいけないんです。でも、誰だって、いくつになったって、絶対できると思います。スケートボードに制限はないんです。
オリンピックでの経験
オリンピックの日はクレイジーでした。午前中にパークへ行って、他のスケーターたちと練習したのを覚えています。みんな緊張していて、でもとてもわくわくしていた。緊張で張り詰めた空気。でも同時に、すごくクールでした。素敵な友達と一緒にいられて、彼らと滑れて、彼らとオリンピックに出場できて、そして一緒に表彰台に上がれるなんて、素晴らしいことです。朝、準備をしながら、そんなことばかりを考えて口にしていたことを覚えています。「ああ、信じられない! 私はここにいるんだ」と思いました。
スカイに立ちはだかった挑戦
2回転倒しました。すごく大変なこと。3本のランの内2本で転倒して、残されたのはあと1本。もしまた転倒したら…。そして、「いや、私にはあと1回チャンスがあるんだ」と思いました。父は、「できるさ。どんな大会だってお前自身を決めることはないんだ」と言ってくれました。その言葉が私を後押ししたんです。そして最後のランに挑みました。2回転倒した後に決める最後の着地は、気持ちいいものでした。
流れるダンスのように
とても緊張します。だって、どこですべてを台無しにしてしまうかわからないんですから。でも、ボウルに入ってしまえば、もう、滑るだけ。パークに自分しかいないような気分になります。自分だけのゾーンにいるような。自分がどう滑るか、最初からわかるんです。このランは何度も経験しているから。自分の滑りがわかる。そしてそれを信じるんです。ボードに任せて、ボウルに任せて滑る。まるでダンスみたい。いくつもトリックをやって、それは魅力的なダンスの振り付けのよう。流れるようなダンスの。こんな風に表現するのが好きです。
銅メダルを獲得した瞬間
本当に銅メダルを獲ったのか、わかりませんでした。自分のランを滑って、スコアを待って、スコアが発表されて、そして私は3位になった。後ろにはもうひとり女の子がいました。素晴らしい子でした。すごく上手で。もし彼女が着地を決めていたら、どうなっていたでしょうね。彼女はトリックをしているときに転倒してしまったんです。その時、私が勝ったと思いました。クレイジーでした。彼女のことがとてもかわいそうに思いました。その女の子は4位になって、とてもかわいそうでした。でもその時私は、同時に、とても興奮していました。
表彰台に上った時は、信じられなかった! 夢かと思いました。父に跳びついたのを覚えています。私も父も泣いていました。表彰台の人たちはみんな泣いていました。すごい瞬間。人生で最高の瞬間。あの瞬間を、もう一度感じたい。うまく滑れたあと、表彰台にいる自分に気づいた瞬間のあの気持ち…。最高です! スケートボードを絶対にやり続けたいと強く思う瞬間です。新しいトリックを習得したときのような。そんな瞬間を、また感じたい。
最年少としてどのように感じますか?
とても面白いです!ちょっと目立とうとしたり、存在感を放ったりする必要があるんですよ。うまく言えないけど、年少というステータスは好きです。私でもできるのよ、ということを証明したくなるから。
若者や女性のアスリートへのアドバイス
若いアスリートに贈りたいアドバイスは、「道のりは長い。急いではダメ」ということ。赤ちゃんのようにステップを踏んで、それを楽しんで。本当に、その道のりを楽しめるようにしてほしい。だって、楽しいんだから。道のりは長いかもしれない。でも、旅は長い方がいいでしょ。ただ楽しんで、そして、諦めないで。女性のアスリートは、「あら、私ここで何してるのかしら? 周りには男子ばかり。ここは私のいる場所ではないのでは?」と思うかもしれない。でも、男子ばかりに楽しいことをさせていられないでしょう? その場所に出て、見せつけてやらないと。女性だってできるということを見せないと。出て行くべき。誰にも邪魔させないで。誰にも自分を過小評価させないで。そういう人たちには、それが間違いだということを見せて。