ストーリー トレンドセッターの肖像:藤原ヒロシ for タグ・ホイヤー
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ファッションとデザインの世界において、藤原ヒロシほど時代精神を形作ってきた人物は他に見当たりません。ミュージシャン、デザイナー、クリエイターの肩書を持つこの日本人アーティストは、コラボレーションを手掛けるや否や、そのすべてをカルチャー現象へと変えてしまう能力によって、わずか数年のうちに真のトレンドセッターとして認められるようになります。そして、東京から国際的な舞台へと広がっていく藤原の誰にも真似できないユニークなキャリアは、当然のことながら、タグ・ホイヤーが進む道と交差します。決して偶然ではなかった両者の出会い。それは、タグ・ホイヤーと藤原ヒロシが時間やスタイルに対して同じアヴァンギャルドなビジョンを共有していたからです。
アンダーグラウンドミュージックの世界でも、東京のストリートウェアの世界でも、藤原ヒロシは常にトレンドの一歩先を行く存在であり続けています。アート、ファッション、デザインの世界を繋ぎながら藤原は、多くの人々が彼をストリートウェアの「ゴッドファーザー」と称し、その影響力が日本を遥かに超えて広がり、あらゆる取り組みがカルチャーの指標となるレベルにまでルールを作り変えてしまったのです。
FRGMT:藤原が手掛けるシンクタンク
2003年、藤原は自身のデザインレーベル「fragment design」を立ち上げます。その略称である「FRGMT」は、ファッション、音楽、アート、テクノロジーの境界線を曖昧にするコラボレーションのためのプラットフォームであり、ミニマルな美学と稲妻ロゴは、世界のストリートカルチャーを象徴するシンボルとなっています。藤原ヒロシにとって、それぞれのコラボレーションが、自身のシグネチャースタイルの本質を決して失うことなく、他の世界とコミュニケーションを図る手段なのです。タグ・ホイヤーとのコラボレーションは、まさにこの精神に沿ったものです。
3つのコラボレーションに宿る、ひとつのビジョン
2018年、タグ・ホイヤーは、ブランドを代表するモデルのひとつ、タグ・ホイヤー カレラのデザインコードの表現を藤原ヒロシに託しました。するとこのデザイナーは、1960年代のアイコンであるこのモデルを、彼独自の方法で再解釈。その結果生まれたのが、タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー 02 by Fragment Hiroshi Fujiwaraです。ヴィンテージモデルのヘリテージを忠実に受け継ぎつつ、確固とした現代的精神を感じさせる、洗練されたミニマルなブラックのデザインが光る39mmのクロノグラフでした。わずか限定500本のこの最初のコラボレーションモデルは、いずれもタイムレスな美学の追求に導かれた、スイスの高級時計ブランドとカルチュラル・アーキテクトそれぞれがウォッチに対して抱く2つのビジョンの融合を示しています。
その2年後、両ブランドのクリエイティブな対話が再び、タグ・ホイヤー × フラグメントデザイン キャリバー ホイヤー02 クロノグラフとして実を結びます。藤原の斬新な解釈によってもたらされたのは、44mmのケース、絶対的なモノクローム、目を引くレッドのディテール、透明なサファイアクリスタルのケースバック。この限定500本のリミテッドエディションは、タグ・ホイヤーと藤原ヒロシとの対話が成熟の度合いを高めていることを再確認させました。これが証明するのは、ヘリテージとイノベーションの間では、スタイルとは時代の問題ではなく、姿勢の問題だということです。
新しい時代へ
そして、今回新たに発表されたタグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ × フラグメント リミテッドエディションも、そのことを改めて証明しています。
同じく限定500本のこのモデルは、シグネチャーであるグラスボックスのデザインをミニマルなフラグメンテーション(断片化) によって再解釈し、モータースポーツのヘリテージに現代的なエレガンスを絶妙に融合させています。オパーリンのブラックダイヤル、曲線を描くホワイトのフランジ、特別デザインの日付ディスクがFRGMTの稲妻ロゴを控えめに想起させ、ビーズオブライスのステンレススティール製ブレスレットとブラックPVDコーティングを施した中央のコマが、ヴィンテージのデザインとモダンな精度を共存させています。心臓部で鼓動を刻むのは、約80時間のパワーリザーブを備えるキャリバーTH20-00 自社製ムーブメント。サファイアケースバックからはそこに施されたブラック仕上げのタグ・ホイヤーとFRGMTのロゴが見えます。また、ケースバックを縁取る「ビクトリーリース」は、ジャック・ホイヤーが勝利を収めたドライバーたちにタグ・ホイヤー カレラを贈った伝統へのオマージュ。このタイムピースをモーターレーシングの伝説にしっかりと結びつけています。
タイムレスな美学とイノベーションが出会う今の時代を象徴する2つの存在、藤原とタグ・ホイヤー。両者のコラボレーションは単なるプロジェクトではなく、継続的な対話であり、未来に向けた新たな展望の約束です。スイスのウォッチブランドであるタグ・ホイヤーは、現代社会における重要なプレーヤーとして確固たる地位を築き、カルチャーに影響を与える存在となっているのです。藤原とのコラボレーションによって、タグ・ホイヤーは絶えずそのイメージを革新しながら、時代の最先端を走り続けられることを明確に示したのです。