時計 すべてのレースに息づくレガシー：タグ・ホイヤー フォーミュラ1 コレクションの歴史

1985年にホイヤーがテクニーク・ダバンギャルド(TAG) に買収されたことで誕生した「タグ・ホイヤー」が1986年に初めて発表したウォッチライン、タグ・ホイヤー フォーミュラ1は、モータースポーツの世界からインスピレーションを得た活気あふれるデザインと革新的な素材を採用し、それまでのスイス時計製造の規範からの大胆な脱却を体現していました。時計史における重要な転換期に誕生したこのコレクションはまた、クォーツ危機に立ち向かうために開発された、モーターレーシングファンやカジュアルに時計を楽しむ人に向けた、大胆で手頃な価格のタイムピースでもありました。

タグ・ホイヤー フォーミュラ1 コレクションは、1980年代に持ち上がった難題への対処を起源としています。クォーツ危機と呼ばれたこの時代、スイス時計産業は激変に直面し、時計市場は日本のクォーツウォッチに席巻されました。しかしタグ・ホイヤーは、この危機を自社のアイデンティティを見直す好機と捉えます。その結果もたらされた解決策が、スイスのクラフツマンシップに現代的なデザインを融合させた、活気のある手頃な価格のウォッチコレクションでした。

カラフルで若さあふれるデザイン性が前面に押し出されたこの「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」は、時計のダイヤルといえば単色で、色使いも地味だった当時の常識を打ち破るもので、ガラス繊維強化プラスチック製のケース、大胆なカラーパレット、クォーツムーブメントが採用され、瞬く間に時計業界に多大な影響を及ぼします。それは、単にサーキット向けというだけでなく、新しい世代にも訴えるようデザインされた、1980年代の時代精神に共鳴する時計だったのです。

タグ・ホイヤー フォーミュラ1 コレクションは、そのルーツを忠実に守りながら今も進化を続けています。現在のモデルは、最先端クォーツや自動巻ムーブメントを搭載し、1980年代の先代モデルを彷彿とさせる大胆なカラーアクセントや、カーボン、セラミックといった高機能素材を採用しています。鮮やかなカラーのタグ・ホイヤー フォーミュラ1 | Kith といった最近発表された限定エディションのコラボレーションは、このコレクションが若い世代にも変わらぬ魅力を放っていることを浮き彫りにしています。

2024年12月には、コレクション最新作タグ・ホイヤー フォーミュラ1 クロノグラフ × オラクル レッドブル レーシングが登場。このモデルは、タグ・ホイヤーと、F1® で圧倒的な存在感を放つチームとのパートナーシップを祝うもので、チームのカラーリングを思わせる印象的なブルーとレッドのデザインが特徴です。先進のクロノグラフ機能を備え、高機能素材を採用し、現代のモータースポーツの真髄を体現しています。

いずれのタイムピースも、精度、イノベーション、卓越性をひたむきに追求するタグ・ホイヤーのコミットメントの証となっています。サーキット上であろうと、日常生活であろうと、タグ・ホイヤー フォーミュラ1は、身に着ける人に自信をもってあらゆる瞬間を力強く走り抜ける力を与える時計です。